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第26話

Auteur: 黄金 幸太郎
晴子は全身の骨が砕けたかのような痛みを感じながら目を開けると、真っ白な景色が目に入った。

鼻をつく消毒液の匂いが、ここが病院であることを告げていた。

彼女は体を起こそうと努力し、腹部に痛みを感じて思わず手で押さえながら、周囲を見回した。

深川律の姿が見当たらず、晴子は思わずほっとした。

実は深川が梁井信田のところに現れた瞬間から、彼女は察していた。紗耶が言ったように、深川は彼女を餌にして釣りをし、梁井信田の巣窟を見つけ出し、一網打尽にしたのだ。

晴子は窓の外を茫然と見つめていた。

背後のドアが開いても反応せず、深川が彼女の前を通って窓を閉めるまでそのままだった。

「まだ体調が戻っていないんだ。風に当たるのは良くない」

深川はいつもと違い、特に優しい声で話した。

これは再会以来、二人が初めて穏やかに接する時だった。今までの出会いでは、二人の間はまるで導火線のように、ちょっとしたことで爆発していた。

晴子は話したくなかったが、聞きたいことがあった。しかし、口を開けると喉が渇いているのに気づいた。

ベッドカバーをめくって水を取ろうとした瞬間、長い指が水の入ったコップを差し出した。

晴子は少し驚き、一瞬躊躇してからコップを受け取り、小さな声で「ありがとう」と言った。

「深川さん、私の弟を連れ出したのはあなたよね?」

「ああ」

深川は否定しなかった。

晴子は暗黙の了解を示すようにうなずき、それ以上は何も言わなかった。

「弟に会いたい」

晴子の声は安定していて、感情の起伏はなかった。

「どうした?そんなに弟を連れて瀬名と再会したいのか?」

深川は予想通り再び怒りを露わにし、皮肉を込めて言った。

晴子は目を上げ、少し恨めしそうな眼差しで言った。「違うと言っても、あなたは信じてくれるの?」

「信じるさ」

深川は考えもせずに答えたが、晴子には彼が信じていないことが分かっていた。彼は紗耶の言葉を全て聞き入れてしまったのだ。

「信じないわ。自分を騙さないで」

「晴子、なぜ俺がそこまで信用できないのか分からない。梁井に脅されたとき、お前が頼ったのは瀬名だ。事件が起きたときも、連絡したのは瀬名だった」

深川はついに心の内を吐露した。言葉を発した後、少し緊張した。この冷淡な晴子が心地よくない言葉を言うのではないかと恐れた。

結局のところ、彼
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