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第1149話

Autor: かおる
仁志についても、情報は意図的に潰されているようで、世の中に出回っている写真は一枚もなかった。けれど、本気で調べようと思えば──すぐに分かる。

その隠し方は、彼自身と同じくらい隙がなかった。

明日香は、どうにも納得がいかないといった顔で言った。

「それでも、理解できないの。あの人が星のそばにいる理由って、いったい何?」

今の時点でも、明日香は、仁志が星に恋愛感情を抱いているとはみじんも思っていない。

星には離婚歴があり、子どももいる。

見た目がいくらきれいでも、仁志クラスの男なら、女なんて選び放題だ。

この点に関しては、怜央も全く同じ考えだった。彼もまた、「仁志が星を好きになる」なんて想定していない。

数秒考えてから、怜央は静かに言った。

「奴の野心は相当でかい。雲井家ごと、丸ごと飲み込むつもりかもしれない。今回の資金だって、タダで出すような男じゃない。

星の持ってる株、もうとうに騙し取ってる可能性だってある。人を信用させるときは──最初に少し、甘い餌をやるもんだ」

明日香は、ふと気になって問いかけた。

「怜央兄さん……星って、今、自分のボディガードの正体を知って
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    仁志についても、情報は意図的に潰されているようで、世の中に出回っている写真は一枚もなかった。けれど、本気で調べようと思えば──すぐに分かる。その隠し方は、彼自身と同じくらい隙がなかった。明日香は、どうにも納得がいかないといった顔で言った。「それでも、理解できないの。あの人が星のそばにいる理由って、いったい何?」今の時点でも、明日香は、仁志が星に恋愛感情を抱いているとはみじんも思っていない。星には離婚歴があり、子どももいる。見た目がいくらきれいでも、仁志クラスの男なら、女なんて選び放題だ。この点に関しては、怜央も全く同じ考えだった。彼もまた、「仁志が星を好きになる」なんて想定していない。数秒考えてから、怜央は静かに言った。「奴の野心は相当でかい。雲井家ごと、丸ごと飲み込むつもりかもしれない。今回の資金だって、タダで出すような男じゃない。星の持ってる株、もうとうに騙し取ってる可能性だってある。人を信用させるときは──最初に少し、甘い餌をやるもんだ」明日香は、ふと気になって問いかけた。「怜央兄さん……星って、今、自分のボディガードの正体を知ってると思う?」怜央は、即答した。「知らないだろ。知ってたらただの護衛扱いなんてするか。必死になって、その太いコネにしがみついてるはずだ」そこまで言って、怜央は、ある可能性を意識し、声を低めた。「仁志のターゲットは、雲井家だけとは限らない。司馬家も、奴の狙いに入ってるかもしれない。……そして現時点で、その半分はもう成功してる。優芽利は、完全に奴に心を持っていかれてる」その言葉と同時に、怜央の瞳に鋭い光が走った。「雲井家を呑み込みたいって言うなら──俺たちは今は動くべきじゃない。じっくり観察する。奴がどう牙を剥いてくるのか。そしてその瞬間に──こっちが一撃で仕留める。そうなれば、向こうには俺たちに噛みつく余力なんて残らない」薄く笑い、低く囁く。「せっかくだ。この機に、溝口家ごと乗っ取ってしまえばいい」明日香は、怜央の前では野心を隠さない。その提案は、彼女にとっても十分魅力的だった。そして、ふと我に返り、口を開いた。「父と兄たちには……知らせなくていいの?」怜央は、すぐに首を振った。「知ってる人間が多くなればなるほど、リスクも増える。

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