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第1853話

Author: かおる
そのとき、明日香の表情を見た悠白は、来訪者の正体を瞬時に悟った。

彼はそっと明日香の手を握る。言葉にしなくても、そこには確かな慰めの意志が込められていた。

明日香は一瞬驚いたが、悠白の穏やかな眼差しに触れると、胸に渦巻いていた不安と恐怖が次第に和らいでいく。やがて、彼女はゆっくりと落ち着きを取り戻した。

悠白は口を開く。

「そこの方。過去のことはもう済んだことだ。お前が誰であろうと、それはただの思い出に過ぎない。いろんな理由でお前と明日香が結ばれなかったとしても、少なくとも一時は美しい時間を共に過ごしたはずだ。

その記憶を思って、お互い体裁を守れ。せっかくの縁を、無駄に汚すな」

壇下でその様子を見ていた仁志は、軽く笑った。

「見事な口だな。これで未練を引きずって絡みに来た元恋人って構図が完成した。このあとあの兄弟が何を言おうと、誰も信じないだろう。むしろ、明日香を貶めるために騒いでるとしか思われない」

星は壇上の悠白を見つめ、小さくため息をついた。

「志村、本気で明日香のこと好きなんだ……残念だな」

星は澄玲の同級生だった頃、悠白に何度か会ったことがある。彼は家柄、
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