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第308話

Author: かおる
もし星が本当に踏み倒したら、どんな罰を受けるのか。

その一瞬、会場にいる誰もが息を呑み、固唾をのんで見守った。

清子でさえ、わずかな期待を抱いていた。

――もし支払えなければ、この深青は自分の手に戻る、と。

だが、星はすべての期待を裏切った。

迷うことなくカードを差し出し、端末にかざす。

「ピッ」という音が響き、決済は成功。

呆然と見つめる人々。

――この女、本当に八十億を支払ったのだ。

先ほどまで「大馬鹿者」と嘲笑していた者も、今や認めざるを得ない。

彼女は本物の大富豪だ、と。

その後の競売で、いくつか目を引く品が出た。

星はさらに二つ落札した。

彼女が札を上げれば、もはや誰も争おうとしない。

むしろ底値に近い金額で手に入れられるほどだった。

勇にはもう彼女に逆らう気力もなかった。

予算はとっくに底をつき、再び嵌められれば、雅臣でも救いようがない。

星は潮時を悟り、あえて控えて他の者に譲るようにした。

雅臣も勇も、彼女が明らかに狙っていることを悟り、出るも引くも不利だと分かって競りに加わらなくなった。

こうしてオークションは幕を閉じた。

会場を出た彩香は、まだ夢を見ているような気分だった。

「星、本当に雅臣に真っ向から挑むなんて。

怖くないの?

また仕返しされるかもしれないのに」

彼女は星の首に輝く深青を見つめ、思わず感嘆する。

「でも、このネックレス、本当にきれい......」

星は淡く笑う。

「どうせ黙っていても、向こうは仕掛けてくる。

だったら先に、仕掛けたほうがいいわ」

彩香は小声で呟く。

「でも......何十億も払って仕返しなんて、ちょっともったいないよ」

二百億あれば、一生遊んで暮らせる。

「でもね」

彼女は言葉を切り、苦笑した。

「神谷の犬と山田の犬、あんな仕打ちをしておいて、痛い目を見ない方がおかしいわ」

「......犬?」

影斗が目を細める。

「お前たち、ホテルから追い出されたのか?」

彩香はうなずいた。

「そうよ、夜は散々だったんだから。

仕方なく私のオンボロ車で一晩明かしたの。

またホテルに泊まろうにも、どうせ追い出されるわ」

影斗は、彼女たちの家が封鎖されている事情を知らなかった。

事情を聞いて、ふっと笑みを浮かべる。

「そんなことなら簡単だ。

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