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第441話

Author: かおる
さらに厄介なのは、翔太の存在だった。

清子という愛人のせいで離婚にまで至り、ついには刃傷沙汰にまで発展した――

そんな話題、上流社会においては格好の酒肴となる。

神谷家も雅臣も、これ以上の醜聞は許されない。

その意図を察した航平は、しばし黙考したのちに口を開いた。

「星......それは賭けだ。

もし雅臣が本当に意地を通すつもりなら、君自身を犠牲にすることになる」

だが星はあっさりと笑った。

「それでもね。

この鬱憤を晴らさなきゃ、いつか本当に手を下してしまうかもしれない」

航平は言いかけて、結局は口をつぐんだ。

――もうここまでこじれてしまったのだ。

奏の件が雅臣の仕業でないことも、今さら伝えるべきではないだろう。

そのころ。

影斗は部下の報告を聞き、眉をわずかに上げた。

「つまり、彩香にちょっかいをかけた遠藤とかいうのは、雅臣の差し金じゃないと?」

「はい。

実は......川澄奏の身内です」

「身内、か」

影斗は渡された資料に目を走らせ、漆黒の瞳を細める。

「奏のスキャンダルを流したのも、雅臣じゃなくて川澄家?」

「その通りです。

川澄家の人間は奏を家に戻したがっています。

しかし本人が拒否したため、強引に追い込もうとしたようです」

「本人は、それを知ってるのか?」

「恐らく知っているはずです。

家族が何度か接触しています」

影斗はソファに身を預け、唇の端に皮肉めいた笑みを浮かべた。

「分かっていながら、星ちゃんには黙っていた......あの男も腹黒いな」

部下がさらに報告を続ける。

「調査の途中で、航平も同じ件を探っているのを見ました。

彼も恐らく、事情を把握しているはずです」

影斗の唇に、意味深な弧が浮かぶ。

「奏は黙っているし、雅臣の親友であるはずの航平まで、口を閉ざしている。

本来なら星ちゃんに情報を流しているはずの彼が、わざと黙っていて、雅臣に濡れ衣を着せている......面白いじゃないか」

宿題をしていた怜が顔を上げた。

「お父さん、じゃあ星野おばさんに教えてあげないの?」

影斗はちらりと息子を見下ろし、どこか楽しげに答える。

「奏も航平も、そろって沈黙を選んだ。

なのに俺がわざわざ口を出すと思うか?

雅臣の人望のなさは明らかだ。

親友すら庇わない。

俺が助け舟を出
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