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第593話

Author: かおる
肩幅が広く、脚はまっすぐに伸び、立ち姿は松のように凛としている。

わずかに身じろぎするだけで、自然と威圧を帯びた気配が周囲の空気を支配した。

まるで、まだ鞘から抜かれていない鋭利な剣――危うくも気高い。

星は、ほんの少しだけ眉を動かした。

――葛西朝陽。

葛西先生が彼女に紹介すると言っていたお見合い相手。

そして、葛西グループ......いや、葛西家の次代を担う男。

なるほど、確かにただ者ではない。

一歩立つだけで、場が締まる。

星は軽く会釈した。

だが、みずから話しかけようとはしなかった。

――彼は、きっとまだ自分の顔を知らない。

唐突に声をかけるのは、礼を欠く。

そう考えてその場を離れようとした、そのとき。

「......星野星」

背後から呼び止められ、足が止まる。

視線を上げると、冷ややかで整った顔立ちがまっすぐこちらを見据えていた。

「あなた......私を知っているの?」

朝陽はわずかに顎を上げ、静かな声で言った。

「星野星――神谷雅臣の元妻であり、神谷翔太の母親。

そして、雲井正道の娘」

星はしばし黙り込み、その瞳の奥の色が、ゆっく
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