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第899話

Auteur: かおる
その男を目にした瞬間、星の全身の産毛が総立ちし、理由の分からない危機感が胸の底からせり上がってきた。

その不安を察したように、雅臣が一歩前へ出て、星の前にさりげなく身を置き、男の視線を遮った。

「怜央さんも、ここに?」

怜央の視線が雅臣に落ち、氷のような、背筋の寒くなる笑みが浮かぶ。

「神谷さんがわざわざ雲井家まで足を運んだ理由は......

元妻の代弁をしに来た、ということですか?」

雅臣は穏やかなまま、否定しなかった。

「星は翔太の母親です。

俺が彼女を守らなくて、誰が守るんです?」

雅臣の態度は明白だった。

星は、彼が守ると決めた相手なのだ。

怜央はふっと笑い、それ以上は触れずにゆっくり階段を下りてくる。

そして靖を見やった。

「靖さん、紹介はしていただけないのですか?」

靖は立ち上がり、応じた。

「怜央、こちらが末の妹──星野星だ。

そして......こちらが神谷翔太の父、神谷雅臣くんだ」

怜央は軽く頷き、驚くほど礼儀正しく手を差し出した。

「神谷さん、お会いできて光栄です」

雅臣も手を差し出さないわけにはいかない。

「怜央さん、こちらこ
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