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第902話

Author: かおる
明日香があんなふうに追われ、あれほど惨めな目に遭ったというのに、星だけが無事でいられるのはなぜだ。

怜央は、星を魂まで震え上がらせ、取り乱して逃げ惑うほどに怖がらせたいと思っていた。

一生消えない恥を背負わせてやるつもりだった。

だが星の反応は、彼の想定とはかけ離れていた。

彼女は、そこら辺の男よりよほど強かった。

銃口を向けられてなお、星ほど冷静でいられる男のほうが珍しい。

朝陽の声が、怜央の思考を断ち切った。

「嘘だろ?

まさか、そのまま情けなく気絶でもしたんじゃないのか?」

怜央のやり口を、朝陽はよく知っている。

星のような女が怜央の手にかかれば、五分ともつまい。

怜央と彼は違う。

朝陽は葛西家で育ち、葛西先生の薫陶もあり、むやみに残酷な手段を使うことはほとんどない。

だが怜央は違った。

当主の座を手に入れるためなら、どんな悪事でも平然とやってのける。

その手法は残忍極まり、朝陽ですら容易に逆らいたくないほどだ。

怜央は、決して潔白な男ではない。

彼に嫌われた女の末路など、想像に難くない。

葛西先生との関係もあって、朝陽自身が星に手を下すわけに
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