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第916話

Author: かおる
仁志の胸中に、言葉には表しようのない不安がふくらんだ。

すぐに星へ電話をかけたが――

誰も出ない。

彩香にもかけたが、反応は同じだった。

何度かけても不在。

胸の奥に芽生えた不吉な予感は、徐々に大きくなっていく。

仁志は凛へ電話を入れた。

凛は驚いたように言った。

「星と彩香はJ市で大会に出てるんじゃないの?

連絡がつかないって......この時間なら寝てるだけじゃない?」

Z国はすでに夜の十時。

休んでいても不思議ではない。

仁志は尋ねた。

「星野さんと彩香さんが、どのホテルに泊まっているか知ってます?」

凛は答えた。

「はっきりとは知らないけど......前にS市へ戻ったとき、彩香が、J市の滞在は航平さんが全部手配してるって言ってたわ。

航平さんに聞いてみる?」

「わかりました」

電話を切ると、仁志は航平に電話をかけた。

だが何度鳴っても、誰も出ないまま自動で切れた。

航平まで出ない?

仁志の目が細くなる。

三人一緒にいる可能性は......ある。

しかも航平の星への気持ちを考えれば、J市で星に寄り添わないはずがない。

そんな考えが頭をよぎる中、仁志はもう一度かけた。

「プルルル......プルルル......」

また出ない。

星や彩香には、休息の邪魔をしたくなかったので、しつこく電話し続けることはしなかった。

だが、航平は別だ。

仁志は何度も、何度も、執拗に電話をかけ続けた。

そして何十回目か、ようやく電話がつながった。

低く、苛立ちを含んだ男の声が聞こえた。

「......誰だ?」

「僕です。

仁志です。

星野さんと彩香さんはどこにいます?」

「仁志......?」

航平は数秒沈黙したあと、言った。

「ホテルで休んでるだろう」

仁志は言った。

「ですが、二人とも電話に出ません」

「風呂に入ってるとか、寝てるとか......そんな理由だろ。

この時間じゃ、連絡つかないほうが普通だ」

仁志はさらに追及した。

「J市での宿は、航平さんが手配したんですよね?

どこのホテルか教えてください。

フロントに内線で呼び出してもらいます」

「仁志」

航平の声が急に冷たくなった。

「もう夜中なんだ。

星と彩香は休んでる。

今呼び出して、眠りを妨げるつもりか?

用があるなら、明
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