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第1546話

Author: 心温まるお言葉
まるで予感があったかのように、霜村冬夜が震える手で霜村冷司の手を掴んだ時、和泉夕子は顔を上げた。そして、たった一目見ただけで、狂ったように髪を振り乱し、這うようにして霜村冬夜のそばまで来た。

彼女はまだ泣いていなかった。固い視線が、凍えて硬直し、白くなった手に触れた後、震える睫を伏せた。血まみれの両手で、霜村冷司の体を覆う雪を狂ったようにかき分け始めた。

山奥深くの雪は、外よりもさらに激しく降り積もっていた。何層にも重なった雪が霜村冷司を埋め尽くしている。全力を振り絞り、彼を雪の中から掘り出した瞬間、彼の顔が和泉夕子の目に入った。

目、鼻、口、耳、すべての穴から血が流れ出していた。その血痕は、雪とともに、この世のものとは思えないほどの美しい顔に凍り付き、全ての温もりを奪っていた......

息絶えた父を目の当たりにして、霜村冬夜は信じられないというように後ろにのけぞり、両膝をついて崩れ落ちた。何かが心の琴線を断ち切り、大きな衝撃が走った。轟音とともに、世界が果てしない闇に包まれたようだった......

「冬夜」

耳元で和泉夕子の落ち着いた声が聞こえた。「手伝って」

霜村冬夜はそこで我に返り、充血した母の目を見つめた。そこには悲しみや苦しみではなく、父がすでにこの世を去ったことがまだ信じられていないというような気持ちが見てとれた。

だから母は、今、父を抱きしめ、彼の両手と顔をこすり続け、体温で凍りついた男を目覚めさせようとしている......

この瞬間、霜村冬夜も父はただ凍えているだけだと思い込み、和泉夕子と同じように、父の両足を抱え、硬直した靴を脱がせ、自分の服をめくり上げて体に乗せた......

自分の体温で父の足の裏を温めながら、ズボンの裾をまくり上げ、手のひらをこすり合わせて温め、彼の肌にこすり続けた......

和泉夕子は手のひらの温かさで霜村冷司の頬の雪を溶かせば、彼を生き返らせられると信じて、必死に何度も何度も頬をこすり続けた。

「あなた、私を置いて行かないって約束したじゃない。ちゃんと待ってたのに、どうしてあなたは帰ってきてくれないの?

今、もし目を覚まして、一緒に帰ってくれたら、今日のことは許してあげるから。そうでなければ、絶対に許さないよ」

彼女の腕の中の男は以前のように、昏睡状態から目を覚ました後に、抱きしめてくれて、
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