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第 1072 話

Author: 水原信
ヤマにはただ一つの思いがあった。それは、イ族を、そして清墨を守ること。

清墨とイ族は、姉が命を懸けて守りたかったものだったからだ。

ヤマがイ族を離れる日、海咲は彼の送別に現れた。

ヤマは金も地位も、外部の物質的なものも一切望まなかった。海咲がヤマに渡せるものは、彼女自身が心を込めて手に入れたお守りだけだった。

「ヤマ、辺境の任務は辛いわ。だから、必ず自分を大切にするのよ。お姉さんは亡くなったけど、私たちは永遠にあなたの家族よ。いつでも帰ってきていいから」

海咲の声は穏やかで、しかし真剣だった。

ヤマは微笑みを浮かべていたが、心の中では別の考えを抱いていた。

――姉さんがいない今、イ族はもう自分
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