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第 1457 話

作者: 水原信
その時、夕奈の視線が横を通り過ぎると、黒いスーツを着た尚年が歩いてくるのが見えた。

背後の今日花もそれを見ていた。

浅川尚年、高杉景吾(たかすぎ けいご)。

今日花は息を飲み、記憶がよみがえった。

――「今日花。かつてあなたと一緒にいたのは高杉景吾。今の彼は、浅川尚年になったの。だから……もう、彼を諦めて」

彼は尚年であり、同時に景吾でもあった。

彼女は景吾としてなら幸せになれるはずだったが、尚年としての彼と縁を結ぶことはできなかったので、彼女は去る道を選んだ。

それ以来、景吾の記憶は彼女の心の奥に封じられていた。

だが今日──妹が何度も景吾と呼ぶ声が、彼女の遠い記憶を呼び覚ました。

彼は景吾
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