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第637話

Penulis:
翌日、謙は自ら車を運転して静奈を研究センターへ送った。

昼近くになって、彼から電話がかかってきた。

「午前の公判前整理手続が早く終わってね。静奈、今お前のところに向かってる。近くに新しくできた地方料理の店に連れて行ってあげるよ」

静奈は時間を見て、眉を少しひそめた。

「午後二時半からまた裁判があるんでしょ?あっちからここまで来るのは大変すぎます。お昼は適当に済ませて、また今度にしましょう」

謙が裁判を行う場所はここから少し遠く、往復するだけで二時間近くかかる。

彼が首都の半分を横断して、ただ自分と一緒に昼食を食べるためだけに来るなんて、その奔走が痛ましかった。

そんな時間があるなら、どこかでゆっくり休んでほしい。

受話器から謙の低く笑う声が聞こえてきた。その声は優しかったが、揺るぎないものだった。

「お前に少しでも早く会えるなら、道中の時間なんて大したことないよ。お前に会えないと、何を食べても美味しくないんだ」

静奈の心底にあった微かな抵抗は瞬時に柔らかくなり、妥協した。

「それなら……迎えに来るために遠回りしないでください。そのお店の場所は知ってるから、直接お店
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