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第10話

Auteur: 風早
あっという間に年末になった。会社は繁忙期を迎え、私は深夜まで残業してようやく仕事を終えた。ふと、街の東側にあるラーメンが食べたくなり、車を走らせた。

その店は小さな路地にひっそりと佇んでいる。味が格別なことから近隣のオフィスワーカーに愛され、いつも深夜まで営業している。

「あら、いらっしゃい。もう一年近く見なかったけど、最近仕事忙しいの?」

店に入るなり、女将さんが気さくに声をかけてきた。その言葉で、はっとした。昔はよく彰吾と一緒に来ていたのに、あの日以来、一度も足を運んでいなかった。気づけば、もう一年も経っていた。

私は微笑んで答えた。「ええ、相変わらずです。いつもの醤油ラーメンを一つ」

何度も訪れたこの場所は、どうしても昔を思い出させる。

あの頃、私と彰吾はよく深夜まで残業し、お腹が空くとここでラーメンを食べ、また会社に戻って企画書作りに没頭した。

「結菜、君は輝かしい未来を捨ててまで、どうしてこんなボロ会社のために俺と苦労してくれるんだ?」

初めて二人でこの店に来た日、彼は不思議そうに私に尋ねた。

あの年、私たちはまだ若く、彼は父の遺した会社を再建するために奮闘
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