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第2話

ผู้เขียน: 甘茶ニーニー
社長は私の言葉を聞くと、それ以上引き止めることはしなかった。

その時、玄関の鍵が開く音がした。

ちょうど帰宅した千明が、私の最後の一言を聞いたのだ。

「決めましたって、何を?」

「いいえ、何でもない」

千明はそれ以上、問い詰めようとしなかった。

彼はソファまで歩いて腰掛けると、手に持っていた小包を開けた。

中から出てきたのは、ハイブランドのブレスレット一式だった。

彼は顔を上げ、私に尋ねる。

「このブレスレット、綺麗だろ?」

そのブレスレットは、私のお気に入りリストに1年間ずっと入っていたものだった。

何度「これ、可愛いと思わない?」と聞いても、彼はいつもこう言った。

「無駄遣いだろ。そんな高いブランド品を買うなんて、見栄のためにお金を払ってるだけじゃん。

真琴には、そういう派手なものは似合わないし」

だから私は、千明はもう私の好みなんて忘れていると思っていた。

まさか、よく覚えてくれたんだ。

――そう思うと、少しだけ胸が温かくなった。

だが、この勝手な期待はすぐに次の言葉によって散々打ち砕かれた。

「お前、双葉とは親友だろ?あいつ、こういうのが好きそうじゃないか」

私は一瞬、固まった。

そして静かに頷いた。

「……うん、きっと喜ぶと思う」

私の表情の変化に気づいたのか、千明は珍しく説明するように言った。

「明日は双葉が入社して3周年の日なんだ。

だから買ってあげようと思った。

あいつ、遠くからお前を頼ってここまで来たんだ。

せめて俺たちが大切にしてるって分かってほしくてさ」

千明はそこで言葉を止め、私の何もつけていない手首へ視線を落とした。

「お前も欲しいなら、次の誕生日に買ってやるよ」

私こそ彼の本当の恋人なのに、いつになるか分からない「次」という約束を待たされる。

……

昔の千明はそんな人ではなかった。

彼は約束ではなく、いつも行動で愛情を示してくれた。

私が美味しそうな料理の記事をシェアすれば、授業が終わった後、必ず連れて行ってくれた。

私が何気なく「あの店のどら焼きが美味しそう」と言っただけで、次のデートには必ず事前に用意してくれていた。

その後、私は、川北市で年収7桁だった仕事を辞め、1年間続いた遠距離恋愛を終わらせて彼のもとへ来た。

千明もまた、何も言わず残業を重ね、必死に仕事の契約を取っていた。

そしてある日、二人の名前が入った不動産の名義書類を私の前に差し出した。

「真琴、これから俺たちもマイホームを持つようになったぞ」

これらはどれも、かつてはなんて素晴らしい思い出だったのだろう。

……

私は視線を戻し、静かに言った。

「……いらない。赤い色は好きじゃないから」

千明は少し眉をひそめた。

「好きにしろ」

そう言ってネクタイを緩めながら、浴室へ向かう。

「シャワー浴びてくる。とりあえず、双葉に内緒しておけよ。

明日、サプライズで渡すから」

浴室からシャワーの音が響き始め、外の音はすべて遮られたようだった。

その時、リビングのテーブルに置かれた千明のスマホが震えた。

私は何気なく目を落とした。

画面に一件の通知が表示される。

【家に着いた?】

アイコンは、2枚の木の葉の画像だった。

双葉からのメッセージだった。

去年、私は同じようなことで千明と大喧嘩をした。

その時、チャットアプリの名前表示が変わっていることに気づいた。

最初は親しみを込めた「琴ちゃん」だったのに、いつの間にか、ただ事務的な「上野真琴」になっていた。

あの時、私は泣きながら別れを告げ、荷物をまとめて家を出た。

千明は慌てて私を引き止めた。

タバコをやめること、名前の表示を戻すこと、そして双葉とは距離を置くことを全部約束してくれた。

そして私たちは、まるで恋を始めたばかりの頃に戻ったようだった。

朝起きれば、テーブルには彼が買ってくれた朝食が置いてあった。

仕事が終わったら、彼が待っていて、私と一緒に家に帰った。

ただ、私たちの間には、見えない壁ができたことが、私には分かっていた。

そして3か月前、双葉が私の代わりにお酒を飲み、体調を崩して入院した。

それをきっかけに、彼女はまた私と千明の生活の中へ入り込んできた。

本当は、二人がいつか私に正直に打ち明けるだろうと思い、ずっと待っていた。

でも、二人は一度も決定的な一線を越えたことはなかった。

ただ、共通の話題だけがどんどん増えていった。

私には分からない話ばかりになっていった。

今日の飲み会の帰りもそうだった。

私が靴紐を結ぶために、ほんの十数秒少しかがんだその間、二人は私を待ってくれなかった。

顔を上げた時、二人の姿は、もう角の向こうへ消えていた。

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