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第9話

作者: 白雪遠江
悠真は3日3晩、家へ閉じこもっていた。

彼は詩音の荷物を何もかも処分してしまった。かつて自分で選び、自分で彼女に贈ったプレゼントまで含めて。

部屋に残っていたのは、燃え残った私の私物だけだった。

塗装の剥げた水筒と、何度も読み返した専門書。それから、悠真に何度も笑われた底のすり減ったスニーカー。

悠真は、それらに囲まれるように一人座り込み、事故当日の映像を何度も見返していた。

詩音の声を何度も再生し、そのたびに、私を突き飛ばした、あの瞬間のことを思い返していた。

4日目の朝、悠真はようやく家を後にし、その足で私の墓へ向かった。

風雨にさらされた墓石には、私の名前がかすかに残っているだけだった。

悠真は静かにしゃがみ込み、墓石に積もった埃を指先で少しずつ払っていった。その手つきは、まるで壊れやすいものに触れるように、ひどく慎重だった。

「……美咲」

かすれた声で、そう呼んだ。

「ごめん。今さら謝ったところで、許されるなんて思ってない。それでも……伝えたかった。

昔の俺は、お前の優しさを当たり前だと思ってた。お前がそばにいることも、俺のために何かしてくれることも、全
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