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第45話

Auteur: シガちゃん
その夜、由奈は客室で眠った。ぐっすりと、驚くほど穏やかに。

翌朝、食卓につくと、祐一がすでに席にいた。珍しく顔色が悪く、白く整ったその顔には、うっすらと疲労の影が浮かんでいる。

家政婦の鈴木が朝食を運んできた。彼女は、いつものように由奈が祐一の皿を受け取るだろうと思っていたが、由奈は黙って自分の分だけ運んだ。

その変化に、鈴木は一瞬固まった――これは、夫婦喧嘩……?

祐一はカフスを留め、無言でテーブルに視線を落とした。

かつてパシフィスガーデンに泊まるときは、いつも由奈が早起きして朝食を用意してくれていた。

それが今では、自分より遅く起きてくる始末。

静かな空気の中、彼はナイフとフォークを手に取り、しばらく食べていたが、由奈が何も言わないでいると、やがて苛立ったようにそれを置いた。

「旦那様、朝食が口に合いませんでしたか?」鈴木が不安そうに声をかける――自分の給料まで響いたら大変だ。

由奈は一瞬だけ動きを止めたが、口を開かなかった。

「……食欲がないだけだ」

祐一はそれだけ言って立ち上がり、椅子の背にかけてあったジャケットを取ると、そのまま出ていった。

扉が閉まる音が響き、鈴木はおずおずと由奈を見た。「奥さま、今朝のごはん、そんなにまずかったですかね……?」

由奈は苦笑して首を振る。「違うわ、鈴木さん。あの人が食欲がないのは、料理のせいじゃないの」

「そうなんですか……よかった、給料減らされるかと思いました」

鈴木は胸をなで下ろし、そして少し遠慮がちに言った。「奥さま、私、ちょっと思ったんですけどね。旦那様、奥様のこと気にかけてると思いますよ。じゃないと……あんなふうに怒ったりしませんよ」

由奈は思わず固まった。

祐一が、自分を気にかけてる?そんな冗談、まったく面白くない。

「……鈴木さんの勘違いじゃないの?」苦笑まじりに言うと、鈴木は手を振った。

「いえいえ、間違いありませんよ。前までは、奥さまが『ちゃんと食べました?』とか『寝不足じゃないですか?』って声をかけてたじゃないですか。今朝、それがなかったから機嫌悪を悪くされたのでは?」

まるで確信でもあるかのように、鈴木は自信満々に語った。

確かに一理あった。

思い返せば、祐一が家に泊まるだけで、由奈にとっては特別な日だった。朝食を共にできる時間が、ほんの少しでも彼に近づけ
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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
美香
腹立つわーーっ この悪い女め!歩美め!女の敵だわ!!
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