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第19話

作者: 黒川 種子
天音は首を横に振った。

「お気持ちはありがたいんだけど、もう踊るつもりはないの」

「どうして?何年も続けてきたのに、やめるのか?」

ダンスを学ぶ者の多くは幼い頃から始めている。舞台に立てるようになるまで、裏で十数年もの努力を重ねている。それだけ長い時間をかけて身につけたものを簡単に手放せる人はほとんどいない。

悠真は天音を説得した。

「実は、なんとなくわかってる。君がダンスを始めたのは誰かのためだったんだろ。でも10年も続けて、あれだけ努力してきたのに、本当にそう簡単に諦められるのか?最初は誰かのためだったかもしれないけど、そのスキルは君自身のものだ。俺たちのところは立ち上げたばかりだし、君にそこまで負担をかけるつもりはない」

悠真の言葉を聞いて、天音はぼんやりと立ち尽くした。

この十年間、ずっとリハーサル室で汗を流してきた。ダンスウェアがずぶ濡れになるまで踊り続けたことを、ふと思い出した。ダンスはとっくに彼女の生活の一部になっていた。

どうして瑛司のために自分の大切なものまで手放さなければならないのだろう。

悠真の言うことにも一理ある。

天音は彼を見て、ふっと笑っ
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