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第6話

Penulis: 洛音
真由は、表情を強張らせていた。頭の中で必死に言い訳を組み立てているのが、手に取るように分かる。

けれど、どう取り繕おうと、慎也がそれを信じることはない。

慎也は、忙しなく動く彼女の目をじっと見据え、やがてドアの外を指さして怒鳴った。

「出て行け!二度と、俺の前に姿を見せるな!」

本気の怒りだと悟り、真由は何も言い返せず、そのまま黙って立ち去った。

彼女が去ると、慎也は私のそばに歩み寄り、痛ましそうに、私の手を握った。

「雫……本当にすまない。全部、あいつに騙されていたんだ。今回だけは、許してくれないか」

私は彼を見なかった。目を閉じたまま、聞こえないふりをする。

ほどなくして、医師と看護師が駆け込んできた。

包帯を慎重に切り開き、中の火傷が、さらに悪化しているのを確認する。

汚れを取り除き、水ぶくれを処置し、新しい包帯を巻き直す。

慎也は傍らで、何度も涙をぬぐっていた。

そのとき、心電モニターから鋭い警告音が鳴り響いた。

慎也は恐怖に顔を引きつらせ、機器を見つめたあと、外へ飛び出して叫ぶ。

その瞬間、私は突然、体が軽くなったように感じた。

無意識のまま、彼の後を追って走り出す。

もう少しで触れそうになったのとき、私の手は、彼の体をすり抜けた。

思わず立ち止まり、振り返る。

そこには、ベッドの上に横たわる、全身を包帯に覆われた、私とまったく同じ姿の女がいた。

正確に言えば、私は、すでに死んでいた。

あの夜、自分で放った火の中で、命を落としていたのだ。

不思議と、心は落ち着いていた。

もともと、私は死にたいと思っていた。死だけが、本当の解放だった。

私は静かに慎也のそばに立ち、彼が私の体を抱き締め、取り乱す様子を見つめていた。

彼の涙が、私の体に落ちる。

「雫……どうして、こんなことをしたんだ。

俺はもう謝っただろう。それなのに、どうして行ってしまうんだ。一度でいい、やり直す機会をくれなかったのか」

それを見て、私は近づき、小さく息をついた。

「あなたが真由を好きなのは分かってる。だから、場所を空けてあげただけよ」

彼らは、もう一緒だった。それなのに、今さら、こんなふりをする必要があるのだろうか。

けれど、私はもう死んでいる。

医師は、残念そうに慎也へ告げた。

「申し訳ありません。最善は尽くしました」

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