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第15話

مؤلف: 眠眠(みんみん)
さっきまでステージを一枚隔てた距離だったのに、今はこんなにも近く――颯真は相手の香水の香りまではっきりと感じ取れ、心臓の鼓動すらも耳に届くほどだった。

この人、どこかで見たことがある気がする。そんな感覚が、どんどん強まっていく。

絶対にありえないと思っていた予感が、ふと脳裏をよぎった。

そして、彼女が沈黙を守るその様子が、なぜか彼に妙な確信を与えた。

彼はゆっくりと、震える手を顔の前に伸ばす。仮面に近づけば近づくほど、心臓は激しく跳ね、呼吸も浅くなる。

詩穂は、まさか颯真が本当に手を伸ばしてくるなんて思っていなかった。

彼女が知る限りの颯真なら、他の女が彼の問いにすぐ答えなければ、不機嫌そうにその場を去ってしまうはずだ。

だからこそ、詩穂は一か八かの賭けに出たのだ。まさか彼がこんな行動に出るとは思ってもいなかった。

彼の手がどんどん自分の仮面に近づいてきて、詩穂は体を固くし、心まで締めつけられる。

颯真の手が仮面に触れようとするその瞬間、「リン、リンッ!」と急にスマホが鳴った。

颯真は瞬我に返ると、素早く手を引っ込め、スマホを取り出して電話に出る。「もしもし」

電話の相手が何を言ったのかはわからないが、颯真の顔色は見る見るうちに険しくなった。

そして、目の前の女を気にする余裕もなく、足早にその場を立ち去った。

彼の姿が完全に視界から消えた時、ようやく詩穂の背中から緊張が抜けていく。

そっと、握りしめていた手を開くと、そこにはうっすらと汗が浮かんでいた。

夜になると、舞踊団の仲間たちは夜の京市を見物するために、夜遊びへと向かっていた。

だが、幼い頃から京市で育った詩穂は、そんなものには興味がなかった。

だから仲間たちに別れを告げ、ホテルに戻る車に乗った。

けれど、ホテルに着いて車を降りた瞬間、彼女の目に飛び込んできたのは、大勢に囲まれてホテルから出てくる颯真の姿だった。

詩穂は直ちに背を向けようとした――その時、背後から颯真の声が響いた。「待って!」

詩穂の表情が変わり、慌ててカバンから仮面を取り出してつけた。

再び振り向くと、颯真はすでに目の前まで来ていた。

まだ仮面をつけている彼女に、颯真は不思議そうに問いかける。「もう仕事は終わったのに、なんでまだ仮面をつけてるんだ?」

詩穂は、今度ばかりはもう逃げられないと悟ったが
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