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第292話

Author: ラクオン
「清水さん、おじ様にはもう、離婚訴訟の通知が届いています」

伊達先生はそう言って、少し声を潜めた。

「ただ……先ほど病院を出るときに、偶然お会いしました。顔色がかなり悪かったので、おば様に何か言いに行くつもりかもしれません」

「わかりました、ありがとうございます。すぐに行ってみます」

おばさんは今、治療の大事な時期だ。

胃は感情に左右されやすい臓器。もし感情的に揉めでもしたら、回復に支障が出る。

電話を切り、個室に戻る。

私は来依の耳元に顔を寄せて言った。

「来依、ここお願い。おばさんのほうでちょっとトラブルがあったみたいだから、見に行ってくる」

彼女の表情がすぐに引き締まる。

「何があったの?一緒に行こうか?」

「たぶん大したことじゃないと思う」

私は軽く彼女の肩を叩いた。

「みんなで楽しく食べてて。場をしらけさせたくないから」

そう言ってバッグを手に取り、みんなに軽く会釈して部屋を出た。

山田先輩もすぐ立ち上がる。

「お酒、飲んでるだろ。送っていくよ」

「うん、お願い」

もともと彼も私に付き合って来てくれていた食事会だ。

私が帰るなら、彼が残る
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