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第308話

Author: ラクオン
彼がもし感情に任せた行動をすれば、必ずその代償を払うことになる。

藤原家はあまりに手強い。私は、彼をわざわざそんな泥沼に引きずり込むつもりなんてなかった。

しばらく黙っていた山田先輩が、静かに言った。

「……それなら、よかった」

その声は相変わらず穏やかだったが、どこかに薄く失望の気配が滲んでいた。

電話が切れるより早く、一人の落ち着いた雰囲気の女性が私のオフィスに現れた。

思わず背筋が伸びる。軽く会釈をしながらも、耳はまだ電話の向こうにある山田先輩の声に傾いていた。

「南……いつか、きっと君のことをちゃんと守れるようになるから」

まるで誓いのような声だった。

本気すぎて、胸の内をそのまま差し出してくるような真っ直ぐさだった。

もしあの女性が現れていなかったら――きっと私は、あの瞬間に心を持っていかれていたと思う。

でも、現実に「もしも」なんてない。

私は少し黙ってから、ゆっくりと返す。

「先輩、私は私で強くなるよ。いつか、誰にも踏みつけられないように」

私の言葉の裏にある何かを、彼は感じ取ったのだろう。

「南……」

その瞬間、ドアの向こうの女性が待ちき
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