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第331話

Author: ラクオン
彼は箱を私の目の前に差し出し、淡々と言った。

「……見て」

――打撲用の薬だった。

箱に印刷された大きな文字を見た瞬間、顔から火が出そうになり、思わず立ち上がった。

「薬だけ渡してくれればいい。シャワー浴びたら、自分で塗るから……!」

正直、彼に指摘されるまで、自分が転んだことすら忘れていた。

「いいよ」

鷹は目元に薄い笑みを浮かべ、口角を少し悪戯っぽく上げた。

「サービスに頼んで、河崎をここまで連れて来てもらってる。自分で塗れなきゃ、彼女に手伝ってもらえ」

最初から、彼は私が打った場所が「自分で見えにくいところ」だと気づいていたのだ。

勝手に妄想したのは私の方だった。

気づけば恥ずかしさが怒りに変わり、一気に彼を外へ押し出し――

「バン!」と扉を閉めようとした、その瞬間。

鷹は片手でドアを押さえ、昨夜と同じように私の頬をそっとつまんだ。

「……清水。あけましておめでとう」

その声に重なるように、外で花火が一斉に打ち上がる音が響く。

鮮やかな光が大きな窓一面に反射し、その光の中の彼は、相変わらず自由で大胆で、どうしようもなく眩しかった。

「それと――も
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