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第321話

Author: ラクオン
私の心臓は、何かにきゅっと掴まれたように痛んだ。

鷹が言っていたように、それは無意識の奥から湧き上がるもので、理由なんて自分でもわからなかった。

鷹の顔に浮かぶかすかな悲しみを見ていたら、気づけば私はつま先を伸ばし、手を上げてその頭に触れようとしていた。

けれど、指先が半分ほど近づいたところで我に返る。空中で止まった手のまま、褐色の瞳を見つめて、そっと声を落とした。

「鷹、彼女はあなたを責めたりしないよ」

一瞬だけ、彼の目が明るくなった。

しかし、私の手が止まったのを見て、その光はすぐ元の静けさに戻る。

「お前は奈子じゃない。どうしてわかるんだよ、彼女の気持ちが」

「……私、彼女に少し似たところがあるから」

視線を落とし、胸の奥に沈んでいた苦さを静かに言葉にする。

「昔は何不自由なく暮らしてたのに、突然両親を亡くして……ひとりで必死に生きてきた。そんなところが、ちょっと似てる」

もう一度顔を上げ、微笑んだ。

「もし私が彼女だったら、絶対にあなたを責めないよ。彼女だって……きっと同じだと思う」

苦しい思いを経験した人間ほど、他人の痛みに共鳴できる。

そして、何
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