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第39話

Auteur: ラクオン
「……」

責任転嫁のスキル、なかなかのものね。

私は笑いそうになりながらも、口元を引き上げた途端、頬がズキンと痛んだ。「……さっき、私に話す機会なんてくれた?」

アナのこととなると、いつも真っ先に飛んでいくくせに。

「南……」

「もういいでしょ。あなたの“大事な姉”が車で待ってるわよ」

彼の言葉を遮り、それ以上関わりたくなくて、私はさっさと車に乗り込んだ。

ドアを閉めようとした瞬間、大きな手がドアを押さえた。

「顔の傷、隠しておけよ。お祖父ちゃんにバレたら、きっと……」

彼の一言一言が、私の心を切り刻んでいく。痛みが深く鋭くなり、まるで魂ごと引き裂かれるようだった。

これ以上、聞いていられなかった。私は勢いよくドアを閉め、彼を遮断した。

視界がじわりと滲み、慌てて顔を背ける。

……殴られたのは私なのに。なのに彼が心配しているのは、アナが叱られること。

彼がそこに立ち尽くしているのも気にせず、私はアクセルを踏み込んだ。

江川グループのビル前で信号待ちをしていると、来依から電話がかかってきた。

喉を落ち着かせてから、通話を押した。

「江川アナに殴られたの?!
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