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第67話

Author: ラクオン
「加藤、車を出して。送ってあげてくれ」

そう言い残して、彼はさっさと車のドアを閉めた。

加藤もすぐさま運転席に乗り込む。

「若奥様、失礼いたします」

バタンとドアが閉まり、ロックの音が響いた。

私はただ、宏が少し離れた場所に停められたボディーガードの車へと歩いていくのを、茫然と見つめるしかなかった。

二台の車はほぼ同時にエンジンをかけたが、信号のある交差点で、まるで示し合わせたかのように別々の方向へと走り出した。

あたかも私と宏は、最初から同じ道を歩む運命にはなかったかのように。

力が抜けた私は、シートにもたれかかりながら、雑然とした思いを抱えていた。

……どうして、こんなことになるんだろう。

私は何の見返りも求めず、彼とアナのことを受け入れてきた。 それじゃ、だめだったの?

宏、あなたはいったい何を望んでいるの?

加藤は運転を続けながら、そっと私の表情を伺い、慎重に口を開いた。

「若奥様、そんなに社長と揉めることはないと思います。結局、正式な奥様はあなただし、江川アナのことは、あまり気にされなくても……」

「加藤」

私は窓を開け、冷たい風を頬に受けながら
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