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第4話

Author: 三番手
どれくらいが経ったのだろうか。ようやく目を覚ますと、全身、特に下半身のあたりが引き裂かれるように痛む。

瞼をどうにか押し開けると、ベッドの傍らにいた蒼介が緊張した面持ちで私を抱きしめた。

「結衣、すまなかった。救命処置が遅れたせいで、一生治らないてんかんを抱えさせてしまった」

呆然と顔を上げて彼を見つめるが、彼は笑いながらこう言ったのだ。

「だから……その償いとして、俺たち二人だけの子供を作ろう」

子供を作る?私が彼と、子供を作るなどあり得るだろうか。

「お前の胚性幹細胞とは適合率が極めて高くてね。莉乃の体を治療するのにぴったりなんだ」

頭の中が真っ白になり、全身の血が凍りつくほど寒い。

あろうことか、蒼介は私の子供を莉乃のための治療の材料にしようとするのだ!

私は持てる限りの力を絞って、今すぐ彼を八つ裂きにしてやりたい。

だが蒼介は身を乗り出し、暴れる私の手首を押さえつけて警告した。

「暴れるな。さっき眠っている間に受精卵を移植したんだ。今はもう、無事に着床して安定しているよ」

弾かれたように自分の平らな下腹部を見下ろす。

そこには今、一つの命が宿っている。まだ生まれてもいないのに、すでに材料として扱われている命が。

恐怖が心臓を掴んで癲癇の発作が起きたせいで、体が制御不能で激しく痙攣する。

妊娠すれば癌細胞の増殖が加速することなど、蒼介は百も承知のはずだ。

ただでさえ今週を乗り切れない体なのに、この子を宿したままでは、今夜を生き抜くことすらできないかもしれない!

「妊娠したら、私が死ぬってわかってるくせに……」

痙攣しながらどうにかその言葉を絞り出すが、口からは抑えきれなくて白い泡が吹き出してくる。

彼は私の手を離すと、ポケットから小さな箱を取り出し、テーブルに乱暴に叩きつけた。

「結衣、母さんの遺骨だが、交通事故の後に納骨せず、ずっと手元に置いてあるよな?」

彼は箱を開けて一掴みの遺骨をゴミ箱の中に放り込んだ。

「もしこの子を堕ろそうとしたら、残りはすべて下水に流してやるぞ」

全身がビクッと強張り、てんかんの痙攣がピタリと止まる。

私は泣き叫びながら彼の服の裾を強く握りしめた。

「蒼介、頼むから、母さんには手を出さないで!」

母の葬式の時、蒼介は跪いて私のことはしっかり守ると母に誓っていたのに。

それが今、母の死後の安らぎさえ奪おうとしている。

蒼介もその光景を思い出したのか、瞳の奥にわずかな躊躇いの色が見える。

ちょうどその時、病室のドアが開いた。少し膨らんだお腹を抱え、腰に手を当てた莉乃が入ってくる。

「あら、結衣さん、目が覚めたの?」

彼女はベッドに近づくと、わざと見せつけるようにそのお腹を私の目の前に突き出した。

「そういえば、感謝しなくちゃね。私の赤ちゃんが無事に生まれたら、あなたのことを感謝しなきゃ」

それを聞いて、私は必死に拘束を振り解き、全身の力を込めて彼女をビンタしようと腕を振り上げた。

だが、その腕は空中で蒼介にきつく掴み止められた。

次の瞬間、彼はもう片方の手で私の首を強く締め上げ、ベッドへ乱暴に押し倒した。

「結衣、お前はどこまで性悪なんだ!

莉乃が親切に見舞いに来てくれたというのに、手を上げようとするとは。

危ないところだった。まだお前のために手術をしてなくて正解なんだな。

お前みたいな女、助ける価値など微塵もない」

ええ、私も後悔しているわ。

あの日、トラックが突っ込んできた時、どうして彼を庇って飛び出してしまったのだろう。

そのせいで脳に深刻なダメージを負い、脳腫瘍を患うことになってしまった。

明日は約束の日。そして私に残された最後の生きる道だ。

夜更けに、私はこっそりと中絶薬を飲み、病院から抜け出した。

だが、隣のVIPルームの前を通りかかった時、蒼介がひれ伏すようにして、莉乃のお腹に祈りを込めてキスをしている姿が、ふと見えてしまったのだ。

しかし、それが私と何の関係があるというのだろう?

絶え間なく血が流れる自分の下半身を見つめ、私は自分を嘲笑った。

翌日、蒼介は胎児の様子を確認するため朝早くからやって来た。

ドアを開けるが、そこには空っぽとなった病室があるだけだ。

「どこに行った?」

怪訝に振り返ると、入り口で顔面を蒼白にしている看護師を睨みつける。

看護師は彼の剣幕に腰を抜かしていた。

「き、桐生先生、午前三時過ぎに、結衣さんが胸が苦しいから外の空気を吸いたいと……お止めしたのですが、結衣さんは……」

「空気を吸う……だと?」

蒼介は眉間に深い皺を寄せた。すぐさま捜索を命じようとしたその時、ドアが軽く開かれる。

欠伸をしながら入ってきた莉乃は、何気なくゴミ箱に目をやり、途端に悲鳴を上げた。

「蒼介、あれを見て!」

蒼介が莉乃の視線の先を追うと、その顔色は一瞬にして変わった。

そこには、目に刺さるような中絶薬の空き箱が転がっていたのだ。
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