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第628話

Author: 結奈々
怜人「……」

真帆はまだ彼を責めていた。「怜人だったら、さっきあの一言だけ言って、手を繋いだりしなかったでしょ?」

怜人「……」

そうだ、と言えるだろうか。

「遥真ってほんと計算高いよね」真帆は以前の件もあって、ずっと遥真にいい印象を持っていなかった。だから彼が何をしても気に入らない。「今度、柚香にちゃんと言っておかないと。遥真のペースに巻き込まれないようにって」

怜人は黙ったままだった。

真帆と一緒になって遥真の悪口を言わなかったのは、これが初めてだった。

ただ黙ってそこに座っている。

その様子に真帆が気づく。「どうしたの?まさか、ショック受けたとか言わないでよ?」

「僕、自分がどこで負けたのかわかった」怜人はふいにそう言い、柚香と遥真が去っていった方向へ視線を向けた。「それに、どうして柚香ちゃんが離婚して半年経っても、一度も他の人を考えなかったのかもわかった」

真帆「?」

何の話?

彼女は怜人の額に手を当てた。「頭でも打った?」

「遥真が柚香ちゃんを大事に思う気持ちって、もしかして君以上だと思わないか?」いつもの軽薄そうな顔はなく、真剣そのものの表情だった
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