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第801話

Author: 結奈々
千尋はそれ以上何も言わず、撮影現場へ向かった。

それから三十分ほどして、ようやく隙を見つけて柚香にメッセージを送った。

京原市に来ているのかと尋ねる内容だった。

柚香がそのメッセージを見たとき、ちょうど食事をしていた。

メッセージの最後に添えられた一文を見て、思わず眉を寄せる。

――LINEは使わず、SMSで連絡して。

理由は分からなかったが、それでも返信した。【うん。でも、もう帰ろうと思ってるよ。何か用?】

千尋が返信しようとしたところ、視界の端にアシスタントがこちらへ歩いてくるのが見えた。

結局、慌てて数文字だけ打ち込む。【何でもないよ。今度京原市に来たとき、ご飯ごちそうするね】

送信すると、千尋はすぐにすべてのメッセージを削除した。

ちょうどそのとき、アシスタントが彼女の前までやって来た。

「千尋さん」美咲が何気ない様子で声をかける。「あと三十分くらいしたら、メイクに行けるよ」

千尋は「分かった」と答えた。

けれど、視線はどうしてもスマホの画面へ向いてしまう。柚香から返信が来ませんようにと、心の中で祈った。

さっき車の中で、美咲が目でカメラの存在を知ら
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