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第1154話

Author: 金招き
ビビアンは由美の視線に射抜かれ、居心地悪そうに顔をそらした。

彼女は気まずさを隠しながら、再び憲一の前で由美を非難した。

「社長、彼女のように責任感のない人は、絶対に置いてはいけません!」

憲一はちらりと彼女を見やった。

その一瞥には鋭い殺気が潜んでいた。

「俺は絶対に許さない」

彼は一言一言、歯を食いしばるように言った。

ビビアンはその目とぶつかり、思わず身をすくめた。

──なぜこんなにも恐ろしい表情をしているのだろう。

その冷たい視線は、まさか自分に向けられてるの?

いや、違う。それは絶対に文絵に対してのもの。

ビビアンは心の中でそう自分を納得させた。

すると、憲一が冷然と言い放った。

「星が見つかったら……お前はすぐにここを出て行け」

由美は静かにうなずいた。

「……はい」

二人のやり取りは妙に噛み合っていて、ビビアンは自分の思惑通りに事が運んでいると信じ込んだ。

彼女はトイレに行くふりをして、その場を離れた。

そこで、あらかじめ頼んでおいた子守に電話をかけ、星を警察署の入口に置いてくるように指示した。

──社長はもう文絵を追い出すと決めた。

それで充分だ。これ以上、子供を手元に置いておくのは危険だ。

もし社長に、星を連れ去ったのが自分だとバレたら——

自分も文絵と同じ結末を迎えることになる。

いや、それ以上にひどい目に遭うかもしれない。

しかし彼女は知らなかった。

仮に由美が本当に星を失くしたとしても、憲一は由美を罰することはないだろう。

惨めな結末を迎えるのは、結局彼女だけなのだ。

その頃、担当の警官が電話を受け、憲一に告げた。

「署の入口に、誰かが赤ちゃんを置いていったようです。確認しに来てください」

同時に、憲一のもとにも連絡が入った。

ビビアンの住居を調べていた部下が住所を突き止めたのだ。

彼は部下にそこを見張らせた。

──ビビアンが一度でも星を連れ込んだのなら、必ず痕跡が残っている。

それが証拠になる。

警察署に到着すると、そこには星がいた。

泣き疲れて眠ってしまったらしく、頬は真っ赤に染まり、瞼も泣き腫らしてぷっくりと腫れていた。

由美が思わず手を伸ばそうとしたその瞬間――憲一が先に抱き上げた。

由美の手は宙で止まり、そのまま静かに下ろされた。

その時、ビビアンは声を張
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