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第22話

مؤلف: チョウドイイ
萎えていた裕は、まるで別人のように急に活気を取り戻し、兄に早く出国の手配をするよう急き立てた。

その姿を見れば本来なら喜ぶべきところなのに、翔はただ苦笑するしかなかった。

裕が自分の病状を知ったらどうなるか……

翔は考えることすら出来なかった。

病床の裕は、手の中の髪留めをいじりながら、低く千晴の名をつぶやき続けていた。

弟のその深い想いに触れれば触れるほど、翔の胸には重苦しい不安が沈んだ。

決意を固めた翔は、国外にいる千晴へ電話を掛けた。

「もしもし、千晴、俺だ。伯父さんの翔だ。お前に話しておきたい重要なことがある」

千晴は、ちょうど実験を終えたところで、彼からの電話に軽い驚きを覚えた。

泰夫は亡くなるに際し、家族に対し、千晴に死亡の知らせを伝えるな、と厳命していた。

あの二人はどう足掻いても腐れ縁であり、絶対に過去を蒸し返してはならない、と。

千晴はてっきり、泰夫に何かあったのではと慌てて尋ねた。

だが、すでに亡くなっていたと知らされた瞬間、彼女の目は赤く潤んだ。

桜井家が知らせなかった理由は、すぐに察した。それでも、十年も自分をかわいがってくれた曾祖父の最期に立ち会えなかったことが、胸を刺した。

泰夫は彼女の身内だったのだ。

「千晴、実はもっと大事なことがある」

翔は単刀直入に切り込んだ。「千晴、お前と裕に、復縁の可能性はあるのか?」

「翔伯父さん、私と裕叔父さんは、もう無理よ」

千晴は、裕がようやく諦めたと思っていた。ここ最近、彼は一度も姿を見せていなかった。

だが、まさか今度は翔を使って説得してくるとは思わなかった。

誰が来ようと、二人の関係は終わっている。

千晴は眉を寄せ、わずかに苛立った。

しかし、続いた言葉は、彼女を震え上がらせた。

「千晴、俺はわかってる。お前の心を傷つけたのは裕だ。だがな、あいつはもう病んでる。末期のがんだ。

国内では治療が出来ん。俺は、お前を国外へ迎えに行くついでに治療する、と嘘をついて、あいつを説き伏せた。お前が病気の裕を見に来てくれれば、きっと二人に和解の望みが生まれると、そう考えたんだ。

千晴、俺は、お前に裕をもう一度受け入れてほしいとは言わん。ただ……せめて治療に協力するふりでいい。どうか、どうか一緒にあいつを騙してくれんか?」

電話の向こうで千晴は黙り込んだ。

「千
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