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2. 「最強になるために」①

Auteur: 佐行 院
last update Date de publication: 2025-01-21 11:29:30

2.「最強になるために~社長令嬢の青春奪還物語~」

佐行 院

-①序章-

 私立西野町高等学校、私服登校可能など自由な校風のこの学校に通う宝田 守(たからだ まもる)はまったりとした毎日を友人と共に過ごしていた。1コマ55分の授業を6コマ出席して幼馴染の女の子・赤城 圭(あかぎ けい)と帰る。それが守の日常。他の人と何ら変わらない普通の高校生。因みに、守と圭は同じ1年3組だ。

 比較的新しい5階建ての校舎に体育館やグラウンド、また食堂があって皆が各々の時間を楽しく過ごしていた。

 部活も勿論存在する。運動部や文化部、そして同行会、沢山ある。因みに守は帰宅部(面倒くさいから)、圭もそうだった。因みに運動部にはクラブハウス(部室棟)があった

 いつも昼休みは図書室で本を読んで過ごした。読書は大好きだ。自分ひとりの世界に入り込める。ゆっくりと本を読み没頭し、チャイムがなったら教室へと戻って授業。本当に普通の日常。

 放課後は必ず寄って帰る場所がある、学校の敷地の一角に佇む「浜谷商店(はまたにしょうてん)」というお店だ。歩いてすぐだから守だけじゃなくて西野町高校に通う生徒はみな好んで寄っている。ご夫婦で経営されているお店で皆顔なじみである。ある意味第二の両親と言っても過言ではない。今日はおばちゃんが担当らしい。

守「おばちゃーん、いつものー。」

おばちゃん「あいよ、あんたもこれ飽きないねぇ。いつもありがとね。」

圭「おばちゃんコーラ無いのー?」

おばちゃん「ごめんねー、裏見てきてもいいかい?」

圭「もう喉カラカラだよー、早くー、死んじゃうよー。」

おばちゃん「そんなんで死ぬわけないだろ、待ってな。」

 守は大好きなメンチカツとハムカツを頬張り、圭はコーラをぐいっと飲みながら歩いて帰る。それが僕たちの1日の締めくくりだった・・・、その時が来るまでは。

 3学期の終業式の日、事件は起きた。

 式を終えホームルームも終わり、守は圭と浜谷商店へと向かっていった。

守「あれ食わなきゃ1日が終わらねえよな。」

圭「ウチも早くコーラ飲みたーい。」

守「またかよ、お前好きだよなー。」

 いつも通り・・・のはずだった。

圭「ねえ・・・、あれ・・・。」

 浜谷商店のいつもは開いていた引き戸が完璧に閉まっている。貼り紙が一枚。

「お客様各位

 日ごろからのご愛顧誠にありがとうございます。

 突然ではございますが私情により閉店させて頂く事となりました。

 皆様にはご迷惑をお掛けし大変申し訳ございません。

 本当にありがとうございました。

そして西野町高校の皆さんへ

皆さんと過ごした時間や思い出は私たち夫婦にとってかけがえのない宝物です。

本当にありがとう・・・、楽しかった・・・。

                        浜谷信二・妻 博美 」

 突然過ぎて守たちは膝から崩れ落ちた。圭は涙を飲んでいる。圭のこんなの悲しそうな表情を見るのは小学生の時以来か。今日は買い食いしながら西野町高祭(文化祭・体育祭)や遠足などの楽しい思い出を語る予定だった。2年になると厳島神社に向かう修学旅行があり、その事も語る予定だった。それが出来なくなった。

 その情報は瞬く間に全校生徒へと伝わった。野球部員に至っては何故かわんこそばの食べ比べをしている生徒もいたのでわんわんと泣いている。

野球部員「俺まだ記録更新出来たはずなのにーーーーーー!!!」

 そこら辺にいた全員が「そこかよ」突っ込んだという。

 守も圭も同じように突っ込んだ。ただ場が和んだが浜谷商店が復活するわけではない。

 ただそこには以前とは違い真っ暗な建物がポツンとあるだけだった。

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