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7. 「異世界ほのぼの日記3」53

Author: 佐行 院
last update publish date: 2026-02-07 07:43:36

-53 驚いてばっかり-

 美麗は新居を前にして目を輝かせていた、ずっと実家で住んでいたので密かに一人暮らしに憧れを持っていたのだ。

美麗「好美、早く行こうよ!!」

好美「さっきとは別人みたいになってんじゃん、もう・・・、腕を引っ張らないの!!」

 新居になる部屋を前にして、大家である好美の手からカードキーが渡された。

美麗「日本とは差が無いんだね、こりゃ助かるわ。」

 部屋に入ると好美や守にとっては見慣れた光景が広がっていた、内線電話に出前用のタッチパネルがあるというすっかり当たり前となった光景。

美麗「凄いね、ここに住んで良いの?」

 初めてだらけの部屋を大層気に入ったのか、美麗は先程以上にドキドキワクワクしていた様だ。

 新居に入った美麗が最初に食らいついたのは1階の「暴徒の鱗」に出前を注文する時に使用するタッチパネルだった、どうやら気を利かせた不動産屋が電源を入れていた様だ。

美麗「ねぇ好美、これ何?中華料理の写真が映ってるけど。」

好美「ほら、さっき言ったじゃない。私がオーナーをしている拉麵屋があるって、そこに出前の注文をする際に使うのよ。」

 「拉麵屋」という言葉を聞いて
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    -195 環境と共に変わった事- 周囲からの圧に押されて深くため息をついた渚は致し方なく『アイテムボックス』から「あれ」、そう、本人が「赤鬼」と呼ばれる所以となった愛車・エボⅢを引っ張り出した。でもよく考えてみればどうしてダルラン家の地下駐車場で大切に保管されているはずのエボⅢがまた『アイテムボックス』に入っているのかが不思議で仕方が無かった、この際だから聞くけどどういう事なんだ?渚「ああ・・・、実はね・・・。」 何だよ、言いづらい理由でもあんのかよ?まさか光達の家から追い出されたのか?渚「そんな訳無いじゃ無いか、あたしゃあの子の母親だよ?」 例えそうだとしても家主はナルリスであるし渚自身の素行を考えると十分あり得る話である、しかし本人からちゃんと理由を聞いておかないとずっと疑ったままになってしまう。渚「失礼だね、一時的に場所を空けておいて欲しいって言われただけなんだよ。ほら、そろそろ3国を跨いでのカフェラッテ・レースの時期だろう?」 ああ・・・、そう言えばそうか・・・。確か以前は光が3連単を当てて大儲けしてた様な気がするけどそれがどうしたってんだよ?渚「それがね、光が働いているパン屋の連中がチームを組んで出場しようってうるさく言い出したもんだからスーさんに協力を仰いであの子の車をレース用に改造するのに地下駐車場を利用しているって訳さ。元から私が拘っていじった車なのに酷い話だと思わないかい、すっかり蚊帳の外だから寂しくて仕方が無いよ。」 誰もが「そっちかよ」と言いたい場面であったが世の中で言う「覆水盆に返らず」、一先ず話を戻す事にしようか。渚「それで?私の愛車をどうするつもりなんだい?」 「どうする」って・・・、車は走らせてなんぼだぞ。当然、走って貰うんだよ。ただしボディに宣伝用のステッカーを貼ってだけどな、分かったら早くやれ。渚「何でだい、「暴徒の鱗」のステッカーだって貼っていないのに嫌なこったね。」 その時だ、眩しく輝く日光に照らされて赤色が映えていたスポーツカーの持ち主以上に抵抗する様子の「声」がそこら辺にいた全員の脳内に直接流れ込んで来た、この声は女性の様だ・・・。女性「あの・・・、前から言おうと思っていたんですが最近私の扱いが雑過ぎませんか?」渚「だ・・・、誰だい!!不審者でもいるのかい?!」 女性の声を聞いた数人が辺りを

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    -191 誰だってやらかす- ずっと『念話』で恋人達と話す渚の隣にいたからか、酒類卸の店主はただただ無言で表情のみを豊かに変えていたばかりの目の前の屋台の店主が一体何をしていたのかが分からなかった様だ。あれ?おかしいな・・・、さっきドゥーンって自分の事をリッチだって言ってなかったか?渚「あんたね、この世界に住んでいるリッチだからって誰しもが必ず『念話』を使えると思ったら大間違いだよ。」 すいません・・・、大変失礼致しました。ただずっとお店の方をほったらかしにするのは宜しくないと思うのですが・・・。渚「安心しなよ、店長さんならあそこでお茶飲んでいるよ。」 あら本当ですね、いつの間に移動してたんだよ・・・。まぁ、暇そうにしてたから仕方が無いか。さて、話に戻りますかね。 暑かったからか、それとも渚がずっと放置プレイをしていたからか、店の事務所の前で冷えた緑茶を飲み干したドゥーンは額から滲み出ていた汗を拭いながら渚達の元へと戻ってきた。ドゥーン「あのお客様、そろそろ宜しいでしょうか。」渚「ああ・・・、あんたは家族の友人なんだからあたしの友人でもあるんだ。「渚」って呼んでくれて構わないよ。それより悪かったね、さっきここにある食材を買い占めようとしていた好美ちゃん達と『念話』をしていたんだ。」ドゥーン「そうだったんですか、もしかしたらビジネスでの話なので『進入阻害』をされていたのかもしれませんね。」 どうやら情報の漏洩を防ぐ為に最近神(ビクター)が『作成』したと言われている『念話』の特殊応用技である『進入阻害』を使っていた様だ、しかし守が途中から入って来ていたけどどういう事なんだ?渚「よく考えてごらんよ、今あの子はどういう状態なんだい?」 そうでしたね・・・、かなりお出来になっていましたね・・・。忘れておりました、しかし酔っているからって能力の質が低下する事があるんですかい?渚「そりゃそうさ、吞み過ぎたらまともに歩けなくなる奴もいるだろ?あれと一緒さね。」 あらま、ご丁寧な説明有難うございます。それにしても参ったな・・・、作者の俺より登場人物の方が能力に詳しくなってる上にいつの間にか応用技まで出来てやがる。これじゃ執筆が追いつかねぇよ・・・、取り敢えず再び話を進めようかね。 ドゥーンは電卓を片手に改めて会計を進めようとした、ただ好美が買い占めよう

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    -190 優先すべきは店舗か個人か- 自分の屋台と同じチェーン系列である1店舗のオーナーである好美のまさかの行動に慌てて『念話』を飛ばした、別の店舗に食材を探しに行けば良いじゃ無いかと俺は個人的に思ったのだがこのまま国王を待たせたままだと「暴徒の鱗」の信用を落としかねないし何より好美の為にならない。しかし今の好美には仕事を忘れて折角の卒業旅行を楽しんで欲しい、一先ず理由及び動機を聞いてみる事にしてみた。渚(念話)「好美ちゃん、どういう事なんだい。バルフでこんなに食材を買い占めてどうするつもりなんだい?」 いち経営者として、そして先輩として好美のこの行動は許す訳にはいかない。しかし好美サイドにもそれなりの理由があって・・・、欲しかった。好美(念話)「え・・・、何の事ですかぁ~?」渚(念話)「あんたね、いくら「ビル下店」を好きな様にしていい権利を有しているからってこれはあんまりじゃないのかい?店の皆がびっくりしちゃうじゃないか。」 確かに好美は「ビル下店」のオーナーであるがその様な権利をいつの間に持っていたのだろうか、ただ先日の「鮪1本事件」と「大量の白菜・胡瓜事件」という前科があるので流石にイャンダやデルアもこの様な事態は懲り懲りだと思うはずだ。可能であれば買い占めた大量の食材を突然店内に出現させて驚愕させるという事態は未然に防いでおきたい。渚(念話)「何だい・・・、もう出来上がっちゃってんじゃ無いか。なのに酒を中心に買い占めているだなんて改めて聞くけどどういう了見なんだい?」好美(念話)「いや・・・、店を出た後に適当に何処かで呑もうかと思いまして。」渚(念話)「まさか・・・、あんた個人的な吞みの為に買い占めたのかい?ここは一応業務用食材の店なんだから私が来るって思わなかったのかい?」 こんなに買い占めてどうやって運ぶつもりなんだろうか、どう考えてもカペンには乗りそうにもない量なのだが今はそれ所では無い。冷静な表情をしながら好美の隣で2人の『念話』を聞いていた守が割って入って来た。好美(念話)「ネフェテルサ王国のゲオルさんの店で買って『転送』か『アイテムボックス』を使えば・・・。」守(念話)「すみません渚さん、こいつ最近酔ったら馬鹿買い癖が出てしまう様になっちゃうんですよ。この前も八百屋さんから「暴徒の鱗」の名前でピーマンを馬鹿みたいに買い占

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    -㉖ 思い出の味と人魚の師匠- 渚達がこっそり買った魚介類の干物を楽しむ中、好美達は屋上からエレベーターで一旦下に降りて呑む直前辺りに仕掛けておいたカレーの様子を見に行っていた。ピューア「皆さんお料理気に行って下さっているみたいで良かったです、カレーも皆好きなはずですから大丈夫でしょう。」 好美は個人的な理由でついて行っていたと言っても過言では無かった、以前話した通り好美はカレーを食べると嘔吐下痢が出てしまうという体質なので保険として『作成』した『臓器強化』が作用するかどうかを確認する為だ。 圧力鍋で食材を柔らかくしつつ、一旦冷まして味を染み込ませもう一度熱を加えて美味しく食べようと

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   4. 「異世界ほのぼの日記2」㉕

    -㉕ またもや社長登場- 『念話』を使用出来て自分の事を「俺」と呼ぶ女性は自分達の知り合いの中では1人しか思い浮かばないので、光は迷う事無くその人を誘う事にした。光(念話)「結愛さん・・・、来ます?場所は分かりますか?」結愛(念話)「えっとね・・・、何とかします。」光(念話)「「何とか」って・・・、なるもんなんですか?」結愛「なりました。」 突如その場に出現した結愛に人魚は驚愕しすぎて気絶しかけていた、いきなりやって来たこの人は誰なんだろうと深く考え込みすぎてしまいそうだ。ピューアが「3人は冷静になっているので多分知り合いなんだろうな、それにしても服装が高そうな物に見えるな」と

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   4. 「異世界ほのぼの日記2」㉔

    -㉔ お待たせしました- 屋上からの絶景などに感動し、数分の間呆然としていたピューアがやっと落ち着きを取り戻した頃、好美の用意したグリルで美味そうに肉が焼けようとしていた。 日本からの転生者3人が既に肉や料理を囲み着席している、まずいと思った人魚(ニクシー)は急いで席へと着いた。ピューア「すみません、お待たせしちゃって。」好美「大丈夫ですよ、さあさあ呑みましょう!!」 ピューア以外の3人は『転送』で冷蔵庫から直接酒を取り出していたが、『転送』が出来ない元寿司職人が急いで冷蔵庫へと向かおうとしたので光が引き止めた。光「ごめんごめん、良かったらこれ使って。」 光が『転送』を『付与』

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   4. 「異世界ほのぼの日記2」㉓

    -㉓ 準備完了- 渚が冷蔵庫に鰹を入れてから約10分が経過し、メインイベントのタイミングとなった。チラッと端っこの方をよく見たらガラス製の器を冷蔵庫でキンキンの冷え冷えになるまで冷やしている。渚「今から表面を焼くんだろ、藁なんかないけどどうするんだい?」ピューア「今回は屋内でも簡単に出来る方法で焼きたいと思います。」 金属製のバットを裏返し表面に塩を振ると、そこに鰹の身を置いて皮の付いた面から焼いていく。表面を程よく焦げ付かせると別の面に返してまた焼き、全体の表面を焦がしたら用意しておいた氷水に入れて一気に冷やす。 冷えた身を刺身の様に切ると中の身は良い具合のレアになっていた、それ

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