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第44話:彼氏様の嫉妬と「お仕置き」②

ผู้เขียน: 花柳響
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-11-26 20:00:31

 防音仕様の視聴覚室は、しんと静まり返っている。外の喧騒が遠のき、聞こえるのは自分の心臓の音と、輝くんがゆっくりと近づいてくる足音だけ。

「……輝くん?」

「ん?」

 彼は笑顔のまま、私との距離を詰めてくる。

 一歩、また一歩。

 私は反射的に後ずさり、背中が教卓にぶつかった。これ以上は下がれない。

「ど、どうしたの? こんなところで話って……」

「そうだね。確認したいことがあって」

 輝くんは私の目の前で立ち止まると、両手を教卓につき、私を腕の中に閉じ込めた。

 いわゆる「机ドン」の状態だ。

 至近距離にある彼の顔。長いまつ毛の一本一本まで数えられそうな距離で、彼のアクアマリンのような瞳が私を射抜いている。その瞳は綺麗なのに、光が届いていない深海のように暗い。

「今日、図書館に行った?」

「……えっ」

 心臓が跳ねた。なぜバレている?

「い、行ったよ? 課題の資料を探しに……」

「一人で?」

「……っ」

 言葉に詰まる。嘘をつくのが下手なのは自覚しているけれど、ここで「奏くんと会って、手とか握られました」なんて言えるわけがない。それは火薬庫で焚き火をするようなものだ。

「……偶然、会った人はいたけど」

「ふーん。氷室?」

 即答だった。

 どうして分かったの!? エスパーなの!?

 私の驚愕が顔に出ていたのだろう。輝くんは目を細め、形の良い唇を歪めた。それはいつもの爽やかな笑みではなく、どこか妖艶で、冷たい笑みだった。

「図星か。……栞、君からは分かりやすい匂いがする」

「に、匂い?」

 私は自分の袖をクンクンと嗅ぐ。

「あいつの使ってる古臭いインクの匂いと……あとは、甘い匂いもす

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