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第40話

Author: タヤスイ
茜は逃げられないと悟った。

握りしめた拳に肉に食い込み、鋭い痛みが走った。

諒助の意図は明白だ。

衆人環視の中で絵美里の顔を立てるため。

そのためなら、元恋人の尊厳を踏みにじることなど何とも思っていないのだ。

おそらく彼の中では、茜の尊厳など、とっくに取るに足らないゴミのようなものなのだろう。

茜はテーブルへ歩み寄った。

「諒助さん。これを飲み干したら、帰らせていただけますか。少し体調が優れなくて……」

「一滴残さず飲んだら帰っていい」

諒助は内心で舌打ちした。

本当に可愛げのない、反抗的な女になったものだ。この強情な性格をへし折ってやらなければ気が済まない。

茜の酒量は知っている。こんな強い酒なら、半分も飲めば酔いが回り、泣いて自分に許しを乞うはずだ。

その時に少し説教をしてやれば、絵美里の面目も立つ。

何も言わず、茜はグラスを手に取って飲み始めた。ためらいなく喉を鳴らして酒をあおる。

グラスの中身が半分を過ぎても、彼女は止まる気配がない。それを見て、諒助の顔色がどんどん険しくなった。

ついに、茜は最後の一滴まで飲み干し、空になったグラスを逆さにして見せ
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