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第9話

Author: トトロからのハグ
「星羅、莉央の代わりに謝る」

柊也は真剣な表情で言った。「莉央はまだ幼くて、何もわかっていない。悪気はなかったはず……」

「ロッカーに閉じ込めて、鍵をかけたのが悪気じゃないって言うんですか?」星羅は眉をひそめて聞き返した。

彼が何かを言おうとした時、携帯が鳴った。

彼は電話に出た。数秒後、彼の表情は硬くなり、焦った声で言った。「沙耶、落ち着いてくれ!事情を説明するから、莉央とどこにも行くな!すぐ行く!」

「もちこちゃん、後でまた来るからな」そう言うと、彼は救急隊員に車を止めるよう指示した。

「おじさん、行かないで……」

柊也は少し黙った後、ドアを開けて出て行った。「ちょっと用事があるんだ」

「おじさん!」もちこは彼を呼び止め、一言一句、噛み締めるように言った。「さよなら」

柊也は振り返り、泣き出しそうな娘の目を見て、少し間を置いて言った。「必ず病院へ見舞いに行くからな!」

救急車のドアが閉まり、外の音は聞こえなくなった。星羅は意識を失った娘を抱きしめ、涙を流した。「もちこ、泣かないで。ママがいるわ。ずっと、愛しているわ」

病院での懸命な治療のおかげで、もちこは一命を取り留めた。

星羅は娘を抱きしめ、声を上げて泣いた。まるで全世界を抱きしめているようだった。

もちこは咳き込みながら、病室の入り口の方を見て、弱々しく尋ねた。「おじさん、まだ来ないの……」

星羅は胸を痛んだ。柊也が来ていないことを娘に伝えるのが辛かった。「さっき電話したら、もうすぐ来るって言ってたわ。もう一度聞いてみるね」

彼女は少し離れた場所に移動し、柊也に電話をかけると、莉央の声がした。「もしもし?だれなの?」

星羅は一瞬言葉を失い、尋ねた。「柊也はどこですか?」

「タレを取りに行ってる」

莉央は、勝ち誇ったように言った。「さっき、早く病院にもちこちゃんを見舞いに行きなよって言ったのに、『莉央も怖かっただろう?美味しいものでも食べて元気出そう』って、無理やり鍋に連れて来られた。もう、しょうがないんだから」

星羅が何か言おうとした時、受話器の向こうから沙耶の声が聞こえてきた。「雨宮さん、あなたがた親子が柊也の妻と娘だってことがバレて、柊也は慌てふためいたわ、明日、あなたに離婚を切り出すって約束しましたのよ。

わたしの身代わりごときが、子供を産んだからって妻の座が手に入ると思っているんですか?笑わせないで!柊也が愛しているのは、最初から最後まで、私だけですよ!」

「ママ、もういい」

莉央は大人びた口調で言った。「おばさん、心配しないで。榊パパが戻ってきたら、私がもう一度言ってあげるから。

榊パパは私のこと大好きだから、私がお願いしたら何でも聞いてくれるの……」

少女の得意げな声と沙耶の高慢な口調に、星羅は激しい怒りと悲しみに襲われた。

もちこが生死の境をさまよっているというのに、彼は莉央との食事を楽しんでいる!

そんな時に離婚を言おうとしているなんて、なんて冷酷な男なのだろう!

星羅は完全に愛想を尽かし、すぐに娘の退院手続きをした。

もちこは何も聞かなかった。

ただ黙って、家族を書いた絵と、柊也にあげようとしていたライオンの粘土細工をゴミ箱に捨てた。

病院を出る時、星羅は担当の先生に言った。「もし榊先生が娘のことを聞いたら、『呼吸不全で亡くなりました』と伝えてください」

医師は驚き、首を横に振った。

「お願いします」星羅は医師に小切手を渡した。「もう誰にも邪魔されずに、娘と静かに暮らしていきたいんです」

「……わかりました」医師は言った。

空港へ向かう途中、星羅はもちこを抱きしめ、顔の傷に薬を塗ってあげた。

二人とも、柊也のことは口にしなかった。

まるで、最初から彼が存在しなかったかのように。

飛行機に乗り込み、席に着くと、星羅は携帯を開いて柊也にメッセージを送った。【柊也、さようなら】

すぐに、携帯が鳴り響いた。

星羅は電話に出ず、SIMカードを差し替えた。
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