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第309話

Author: かんもく
三千院すみれが出てくると、とわこは彼女の前に立ちはだかった。

「次は、あなたよ」三千院とわこは今日、軽いメイクをしており、顔色は悪くなかった。

しかし、その穏やかな表情の下には、消えることのない恨みが渦巻いていた。

「いいわ!娘を失い、弟も失ったわ、三千院とわこ、覚えていなさい!」三千院すみれは、前回カフェで彼女にぶつかって脳震盪を起こしたことで、心の中に怒りを溜め込んでいた。

あの時、常盤奏が出てこなければ、絶対に諦めるつもりはなかった。

三千院とわこは無表情のまま車に乗り込み、シートベルトを締めた。

マイクが水のボトルを開けて彼女に差し出した。「常盤奏が二階堂涼太の主治医を調べているようだ。彼、小林はるかを捨てようとしているのかもしれない。あの男、なんて冷酷な奴だ!小林はるかは彼の子供を妊娠しているのに!」

三千院とわこは水を受け取り、一口飲んだ。

冷たい水が喉を通り過ぎ、さっぱりした。

「調べさせておけばいいわ」彼女の瞳には無関心な暗い輝きが一瞬浮かんだ。

彼が何を突き止められるか見ものね!

二階堂涼太とその家族は、彼女に約束した通り、厳格に秘密を守ると誓っていた。

彼らが今住んでいる場所もかなり隠れている。

常盤奏は今、二階堂涼太が住んでいる場所さえも見つけられていないのではないかと思った。

週末。

常盤夫人の誕生日。

小林はるかが常盤家の子供を妊娠しているため、常盤夫人の機嫌は非常に良かった。

今夜は常盤家の親族や友人を招いて、一緒にお祝いすることになっていた。

小林はるかは早朝から常盤奏にメッセージを送っていた。

だが彼は、ギリギリの時間で宴会場に到着した。

司会者がステージに立ち、挨拶した後、常盤夫人を舞台に招待した。

常盤夫人は片手で小林はるかの手を握り、もう片方の手で常盤奏の手をしっかりと握りしめていた。

三人がステージに上がると、司会者がマイクを常盤夫人に渡した。

「今日は私の誕生日です。それだけでなく、皆さんに良いお知らせを伝えるためにこの機会を利用したいと思います!」常盤夫人はそう言いながら、年老いた手で小林はるかのお腹を優しく撫で、興奮した様子で続けた。「私の孫はもう五ヶ月になります!あと少しで生まれてくるんですよ!」

ステージ上のLEDスクリーンには、もともと常盤夫人の若い頃の写真が映し出さ
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