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番外編

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-07-10 09:33:42

俺は侯爵家長男で宰相をしているケビン=フォール。

妹がバカ王子と婚約破棄をしたら、親友の隣国の王子がかっさらっていった。イヤ、俺のものじゃないんだけど。

せっかく、妹と一緒に買い物をしたりと生活をいろいろ考えていたのに、まさかの親友によるプロポーズ。妹もOKしたんだけどさ。

で、一家で隣国へ亡命?みたいな移住?することに。

そしたら、夜会で妹の噂はサンザン。

「婚約破棄されたキズモノ」

「元の婚約者は幼女趣味だから捨てられた」

などなど、ブチ切れなかった自分を褒めてやりたい。あとで妹から褒められたから良しとしよう。

仕事にはやりがいを感じているし、今の生活になんら不満もない。

毎日妹の顔を見れるしな♪

たまに視察で妹がいないときはかなり凹む。その悲しみを仕事にぶつける。

補佐に「今日は王妃様不在なんですね」などと言われる。

全くその通りなので言い返せない。出来ることと言えば、補佐に無駄に仕事を押し付けるくらいだ。

この間、妹に女性の好みについて聞かれた。俺の場合妹一択だ。

しかしだ。妹とは血がバッチリ繋がっているわけだし、王妃様なわけだから、俺は独身だけど、家の存続を考えると、結婚した方がいいんだろうなぁ。

「ケビン様!どうしてここの数字が間違っているのですか?」

「いや、これはこのままで合ってるけど?」

「どこがです?このままではダメでしょう?陛下の許可が下りませんよ?」

最近、俺の細かなミスを見つけては指摘してくる部下が出来た。というか増えた。

仕事量が多いと陛下に文句を言ったら、宰相補佐が増えた。

俺が陛下に文句を言えるのは、昔からの付き合いがあるからだろうなぁ。

あぁ、新しく宰相補佐になったのは珍しい、女性の補佐官。名前はカリー=グレース。……だったように覚えている。

「違いますよ。私の名前、いつになったら覚えるんですか?カリン=グレースですよ。母方が東方の出なので名前が東方っぽいのです。見た目もそうでしょう?」

そうだなぁ。黒髪・黒目だし、言われてみればそうか。妹以外見てなかったからなぁ。

「うふふっ、お兄様が少しは興味をもってくれるかしら?カリン様」

「期待しよう。ケビンにあんなに怒れるのはなかなかいないからなぁ(笑)」

女性だと意識すると、意識をしてしまう。

ちょっと手が触れただけで書類を落としてしまう。俺はどこの出来損ないだろう?

「宰相!しっかり
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    「お兄様、王太子様に慰謝料は金貨で8万枚要求しました!」「随分豪気に出たな。ヒルライズが側にいたし、大丈夫なんだろ…」「金貨で要求した理由は、亡命先でも金貨なら使えるだろう?もうすぐ潰れそうなこの国の貨幣もらっても嬉しくないからな」「策士だな……」私達一家(使用人たちを含む)はその二日後、ライレルク王国に向けて出発した。荷物が多くて東方の国のダイミョウギョウレツのようだとヒルライズ様は言っていた。「私もそのダイミョウギョウレツを見てみたいですわ」「東方の国は文化が全然違ってなかなかエキサイティングだよ」「俺もついて行く!」「おいおい、それが新婚旅行かもしれないんだぞ。野暮な男だな」「なんとでも言ってくれ、俺は妹が大事なんだ」「あ、言い忘れてた。俺さぁ、国王になったらケビンに宰相頼もうと思ってたんだけど……。体動かす剣術の方が好きだったら、騎士団長。どっちがいい?」「お前さぁ、軽く言うけど亡命してきた人間を重用していいのか?」「そこは実力で黙らせるもんだ」「俺の実力ねぇ……」「お兄様なら、ずっとヒルライズ様とチェスをしてましたもの。文官が似合うと思いますわ」「それなら俺、宰相やる。この国で特に剣術してたわけじゃないし」王国までの道のりは結構楽しく過ごせた。馬車にヒルライズ様とお兄様が一緒だったので、快適だった。着いたのはそれから1週間後、結構時間がかかるなぁというのが感想。うちはかなりの豪邸が用意されていた。「俺はこの国じゃ王太子だ。その妃の実家だし、邸もこうでなきゃ」というのが、ヒルライズ様の意見。いつの間にライレルク王国に文を送って用意したんだろう?さっそく使用人達は邸内を見て、どこに何があるのか把握。「どうぞ、お入りください」と邸に入ったのは、およそ1時間後。邸の中も一見質素だが、シンプルにいいものを使っているのがわかる。荷解きをして、片付けて(侍女達が)、私の部屋が完成!南向きの非常にいい部屋。壁紙も落ち着いた緑。侍女達が頑張ってくれたおかげでクローゼットにはドレスが。「お嬢様!新しいドレスがかけられています」「ああ、それ俺からのプレゼント」とごく普通にヒルライズ様は言う。普通は王太子様は王宮からなかなか出られないものじゃないのかなぁ?「それなら納得です!」侍女達、納得してる場合じゃないでしょ

  • 殿下、婚約破棄ありがとうございます!私は他の殿下と幸せになります。   3.慰謝料を請求しましょう

    ついにやってやった!あの鼻に着く、いちいちうるさい、小姑かよ?って思うような女と婚約破棄した。後日慰謝料とか言ってた気がするけど、まぁあんな女の請求する金額、大したことないだろう。今までだって全然金使って生活してないし。せいぜいが夜会のドレスとかか?それにしたって、「婚約者同士は互いの瞳の色をモチーフとかにするものです」なんて言うもんだから、そうしたけどあいつの瞳の色なんて、灰色じゃねーか?そんなのどうやって使うんだよって話だ。それにしても、無邪気な幼い女の子って可愛いなぁ。素直だし、いちいち可愛い!!小姑のようにならなくていいなぁ。「ハリー!!」げっ、母上。「ルビー嬢と婚約破棄したって話は本当なの?」「本当ですとも!ほうら、こんなに可愛らしい幼子が私を癒してくれるのです」「このバカ息子!!どうしてそんなにバカなの?!」「へっ?」「その幼子たちだって後数年であなたが嫌いな年頃のお嬢さんになるでしょうね。永遠に幼子のままなわけないでしょう?それくらいわかってるわよね?その上で、王妃は成人女性がなるものです。幼子には務まりません。王太子妃教育も王妃教育も出来ていないじゃない!」「それはそうなのですが…」「しかもその上、あの賢いルビーに慰謝料を請求されるみたいね。今回の婚約破棄はどっからどう見てもあなたの有責ですし、まあそうでしょうね。わかってるの?王妃教育にも片足突っ込んでる彼女は王宮の台所事情を把握してるのよ。その上で、あなたを苦しめるような金額をふっかけてくるでしょうね」「そんなですか?」「そんななのよ、ルビー嬢という人材は!だというのに…あなたは簡単に婚約破棄をして彼女を手放し、幼子と戯れ…このバカ息子!!」そこまで怒らなくても。ルビーがそんなにふっかけてこない可能性だってあるじゃないか!***************やってきた後日、私は慰謝料請求の専門家の方とヒルライズ様を交えて、慰謝料の交渉をすることにした。ヒルライズ様がいるのは第3者もいた方がいいからです。「お久しぶりです。王妃様。つきましては、本日は王太子様の有責で婚約が破棄されましたので慰謝料を請求させていただきます」「息子が有責という根拠は?」「私に婚約破棄を言い渡した時に、私を指刺されたのですがその腕に幼子がぶら下がっていました」「この国の王太子の性癖

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