その部屋には見目麗しい二人の男性がいた。一人はこの話の主人公の兄であるケビン=フォール侯爵令息。もう一人は主人公の兄の親友であり、ライレルク王国の王太子である、ヒルライズ=ライレルク王太子。二人はただの親友で、腐った関係では断じてない!今日は二人でチェスをしながら、ここ、フォール侯爵家で世間話をしているのだ。「最近、ケビンの妹のルビー嬢が婚約したらしいな」「ああ。聞いてくれるか。親友よ。俺の可愛い可愛いルビーを王家なんぞに嫁がせるんだ」「お前…それは不敬ってもんじゃないのか?」「いや、お前と話してるからついな。それでよぉ。どうして、可愛くしかも賢い妹をあのバカ王太子と婚約させないといけないんだよ!」「……だから不敬」「なんかさぁ。貴族って悲しいよな。政略結婚らしい」「チェックメイト。そんなにうじうじしてるから、俺に負けるんだ。全くさっさと腹くくれよ~」「……しかしバカ王子。せめて賢い王子ならなぁ……」「俺とかありだったりするのか?」「なっ!?お前?……そうだな、あのバカ王子より100倍いいな」「比較するなよ……」「お前も不敬なんじゃないか?」「この会話が漏れてないからいいんだ。俺の場合は外交問題かなぁ?」「それはそれでマズいんじゃないか?」「二人しか聞いてないからいいんだよ」それから2年が経ち、主人公ルビー=フォール嬢も王太子妃として王太子妃教育をしっかりこなし、立派な王太子妃となりました。はぁ、殿下は今日もあのような幼女を腕にぶらさげているのですね。困ったものですあるパーティーの日、殿下はルビーに言い放った。「お前のような面白みのない女はうんざりだ。婚約を破棄する!」そう私を指さす殿下の腕には幼女がぶら下がっています。殿下の性癖のようです。殿下はロリコンのようです。率直には言えません。不敬ですから。今ぶら下がっている幼女もあと数年で殿下の趣味ではない女性になるのでしょうけど?よりにもよって陛下と女王陛下のいない時に言い出すとは、殿下もそのへんは頭を使ったのですね?二人には諫められると思ったのでしょう。事実殿下の性癖についてはさんざん諫められていますからね。「婚約破棄について、承知しました。殿下の有責でよろしいでしょうか?ついては慰謝料を請求させていただきます。慰謝料につきましては、後日専門家の方を交えまして
Terakhir Diperbarui : 2025-07-06 Baca selengkapnya