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第255話

Autor: 雨の若君
二人とも格闘技の心得があることは一目で分かったが、司野の腕前は明らかに清人を上回っていた。

数度の攻防で清人は次第に劣勢に追い込まれ、ついには司野の一撃が真正面から彼の顔にめり込んだ。

清人の口元から血が滲むのを見て、素羽はさっと顔色を変え、居ても立ってもいられなくなった。清人が司野にこれ以上何かされるのを、ただ見ているわけにはいかなかった。

彼女は岩治に訴えるように言った。

「清人先輩は普通の人じゃないの。もし本当に何かあったら、須藤家にとっても何の得にもならないよ」

岩治がそれを知らないはずがなかった。司野のこの猛々しい勢いを見る限り、どう考えても本気で叩きのめすつもりだ。妻を慰めるために戻ってきたのだと思っていたのに、まさか喧嘩を売りに来たとは――呆れて言葉も出ない。

素羽は岩治が気を取られた一瞬の隙を突き、彼を突き飛ばして、揉み合う二人のもとへ駆け寄り、間に割って入った。

「二人とも、やめて!」

突然飛び込んできた素羽を見て、清人は振り上げた拳を慌てて引き戻し、思わず叫んだ。

「危ない!」

しかし、司野の蹴り出した足は、そこまで素早く止められなかった。半分ほ
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