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第7話

Author: ひとつの甜菜
美玲はウエディングドレスのまま店を飛び出し、車道へと駆け出した。猛スピードで迫ってくる車が彼女に向かって突進してくる。

真也は咄嗟に手を伸ばし、彼女を引き止めた。

だが美玲はその手を振り払い、なおも車の流れへ身を投げ出そうとする。「どうして助けるの?死なせてよ。そうすれば、堂々と晴香と一緒になれるじゃない!」

真也は美玲を強く抱き寄せ、歩道へと引き戻した。「美玲、聞いてくれ」

美玲は耳をふさぎ、首を振る。「聞きたくない、聞きたくない……」

それでも真也の声は胸に突き刺さった。

「美玲、本気で君と結婚するつもりだった。でも――晴香が現れた瞬間から、心がもう自分のものじゃなくなったんだ」

「憎いのに、それ以上に彼女を愛してしまう。今君と結婚したら、それこそ君に不公平だ」

美玲は涙に濡れた顔で真也を見つめた。「真也、私は公平なんていらない。ただ一緒にいたいだけ」

「晴香なんて、あなたの愛を受ける資格はない。あなたが一番苦しかったとき、あの人は見捨てたじゃない。ずっとそばにいたのは、私よ」

「どうして私を見てくれないの?私は五年間も、あなたを想い続けてきたのに」

「でも俺は、晴香を十八年間も愛してきた。七歳で孤児院で出会ったとき、泣いていた俺に彼女が差し出してくれた、あの一粒の飴……あれから、心には彼女しかいなかった」

「一度見捨てられても、俺は忘れられない」

「美玲、ごめん……俺じゃ君にふさわしくない」

美玲は泣き叫ぶ。「真也、目を覚まして!晴香はあなたを愛してなんかいない。お金目当てに決まってる!」

だが真也の瞳には、揺るぎない想いが宿っていた。「たとえお金のためでも、それでいい」

――やっと、自分は稼げるようになった。晴香に、欲しいものをすべて与えられる。

真也は落ち込んだ美玲を連れ、再びウェディングドレスの店へ戻った。心の奥の想いを正直に晴香へ伝えようとした、そのとき――

先に口を開いたのは晴香だった。「真也、実はさっきまで拓海と口論してて……だからあなたのところに来ただけ。でも、さっき仲直りの電話があったの。M国行きの航空券まで用意してくれて……私、もう帰ることにした。

あなたと美玲の結婚式には出ない。ここで二人の幸せを祈るわ」

その瞬間、真也の胸に怒りが込み上げた。だが表情は逆に凍りついていた。

「晴香……俺は、いったいお前にとって何だったんだ?」

晴香は胸の痛みを隠すように、皮肉めいた笑みを浮かべる。「言わせるの?」

「言え」

「もちろん、都合のいいキープよ。拓海と別れたときだけ、あなたという大木にしがみついた。拓海が戻れば、私は迷わず彼を選ぶわ。

正直に言えば……真也も悪くはないけど、ベッドじゃ真面目すぎて退屈なの。私には拓海みたいに遊び慣れた男じゃないと物足りないの」

真也の手が振り下ろされ、乾いた音が響いた。「……晴香、お前ってやつは、本当にどうしようもないな!」

晴香は頬を押さえ、涙をにじませて笑った。「そうよ、私は最低。あなたは三年前から気づいてたはずでしょ?」

そう言って背を向ける。

だが真也は行く手を遮った。「晴香、俺のネックレスを返せ。二度と会いたくない」

晴香は立ち止まり、首から外した。それは――彼に踏み壊され、彼女が修復したばかりの貝殻のネックレスだった。

真也はそれを受け取ると、無情に足で粉々に踏み砕いた。二度と直せないように。

胸の奥で、心が砕け散る音を晴香は確かに聞いた。かすれた声で問う。「これで……行っていい?」

真也の声は氷のように冷たかった。「俺もお前に返すものがある。それを受け取ったら――生きていようが死んでいようが、二度と俺と関わるな」
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