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第275話

Author: 一匹の金魚
萌寧は、礼央に自分には問題を解決する力が全くないと思われたくなかった。それに、萌寧は男に頼るタイプではなく、これまでずっと自分の力でやってきたのだ。

「礼央が『困ったら言ってくれ』って」萌寧は続けた。「母さん、心配しないで。この20億円はすぐに返すから」

-

真衣は第五一一研究所でプロジェクトに関する研究を終えた後、時間を見つけて九空テクノロジーに戻り、残っていた業務を処理した。

九空テクノロジーのプロジェクトは以前ほど忙しくなくなってきたが、真衣は自分がやるべき仕事はきちんとやり遂げるべきだと思っている。

真衣はちょうどデータ関連の整理を終えたところだった。

すると、安浩が真衣に歩み寄ってきた。

「萌寧は20億円の賠償金を全額支払ったが、住岡社長も事情聴取で呼び出されて、たぶん刑務所に入ることになるだろう」

真衣は眉をひそめて言った。「住岡社長のような悪質な会社は、とうに罰を受けるべきだったよ。民間旅客機の原材料でまで手を抜くとは、まさに自滅行為だわ」

「真衣がデューデリジェンスをやってくれたおかげだ。そうでなければ、賠償するのは我々だったかもしれない」

真衣は手にしていた書類を置き、自分の荷物を整理しながら淡々と言った。「それはあり得ない。我々が一つ契約しようとすれば、萌寧はその都度横取りをするんだよ。我々が賠償するはずがないじゃない」

沙夜は給湯室から出てくると、二人の会話を耳にした。

沙夜は冷ややかに笑った。「礼央も大したものだよね。20億円もの大金を、萌寧のためにあっさりと出したなんて」

真衣は特に驚かなかった。

数百億円を会社に平気で投資する男だ。数億円なんて、礼央にとってみたら小銭に過ぎない。

安浩はこの時首を振った。「いや、外山さんが自分で資金を調達したんだ。礼央には頼りたくなく、自分で解決したいとか」

沙夜はその話を聞いて気分が悪くなり、飲んだばかりのコーヒーを吐き出しそうになった。

「外山さん、あざとい演技はお手の物よね」沙夜は白目を向きながら言った。「強くてしっかりしてるように見えて実はか弱いキャラ設定で、あちこち奔走して賠償も全部済ませたけど、きっと礼央ってバカ男は心配してたんじゃない?」

女ってのはこういうものなのよ。

男の前でわざと強がり、男の注意を引き、男に心配させる。

そんな小細工、とうの昔に見
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Comments (2)
goodnovel comment avatar
ささき
この話もモヤモヤする。 なんだかんだと男を利用してるくせに 人を見下してえらそうにしてるクソ女 はやくざまぁ展開がこないと挫折しそう
goodnovel comment avatar
まかろん
今日の更新は中継ぎみたいなもんでしたね 出来事や会話のとこかに伏線あるんだろうけど、真実より各人の思い込みで説明されてて、礼央の真意は1つも出てこないので、スッキリしないまんま
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