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第274話

Author: 一匹の金魚
「国内大会の決勝がもうすぐ始まるって聞いたけど?」と加賀美先生がふと尋ねた。「準備の方はどう?もしよければ、提案書を一緒に見てあげようか」

真衣は、加賀美先生がこの大会に注目しているとは思わなかった。

「ほぼ完成しています。では、日程を調整して、ノースアイを連れてきて加賀美先生と一緒に作戦会議ができればと思います。よろしくお願いします」

この大会で世界大会まで勝ち進み、さらに総合優勝すれば、ヨーロッパに本部を持つ航空関連機関でそのまま働くことができる。たとえ働けなくても、真衣の名は世界に知られることとなる。

「わかった」加賀美先生は真衣を高く評価している。優秀な若者はこの国の希望だ。

様々な国際大会で海外チームの選手と切磋琢磨することで、自国と外国のそれぞれの長所と短所も理解できる。

テック業界では、閉鎖的になってはいけない。

「何か困ったことがあれば遠慮なく言いなさい」加賀美先生は真衣を見つめ、重みのある言葉をかけた。「科学の道は一朝一夕には成らず、重い責任を伴う」

「特に――この業界は実際あまり稼げない」

トップクラスのチーフデザイナーでも、年収は数千万円程度だ。

国は研究費を予算化するが、常に資金不足に悩まされている。

この業界は、労力も資金もどちらも多くかかる。

特に未来が見えず、希望も見えない時は、心身ともにすり減る。

どのプロジェクトも、年単位で取り組むものになる。

血気盛んな若者にとってみると、確かに耐えがたい部分がある。

加賀美先生は目を少し鋭くして言葉を続けた。「もし本格的に研究に打ち込めば、九空テクノロジーも成長して、特許だけでもかなりの収入になるだろう」

真衣は少しだけ呆気にとられた。

先生の目を見た瞬間、真衣は何かを悟った。

加賀美先生は以前より白髪が増え、かなり老けた。

それでもまだ第一線に立ち続けている。

先生が突然何の理由もなく給与の話を出すはずがない。

真衣が途中で仕事を辞めて結婚を選び、それも高瀬家のような名家に嫁いだからだ。

真衣は人生最大の過ちを犯した。

当時、高瀬家には金目当てで嫁いだと言われた。この業界では稼げないから、楽な道を選んだのだと。

おそらく、これらのうわさはなぜか加賀美先生の耳にも入ってしまった。

真衣は自分の輝かしいキャリアを捨て、結婚を選んだ。世間からしたら、
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