Share

第5話

Penulis: ハルイケ
私の身体は、自分でも気づかないうちに、かすかに強張っていた。呼吸が止まる。

諒はほとんど反射的にスマホを手に取った。それから、少し気まずそうに私を見る。

「ちょっと出るね。学校の緊急連絡かもしれない」

そう言いながら、さりげなく身体の向きを変える。私から画面が見えないように。

次の瞬間、彼の表情が変わった。やわらかかった目元が強張る。眉が寄る。隠しきれない焦りと心配が、その顔にははっきり浮かんでいた。

そんな顔を、私はもうずっと見ていなかった。

少なくとも、今のそれは私のためじゃない。

彼は勢いよく立ち上がった。

「澪、悪い!叔母さんから連絡があって、いとこが事故に遭ったらしいんだ。今、病院に運ばれたみたいで、すぐに行かないと――」

……ほら。なんて完璧な言い訳なんだろう。緊急事態で、筋が通っていて、ここで疑う私のほうがわがままみたいに思えてしまう。

彼が背を向けかけた、その瞬間だった。気づけば私は手を伸ばし、彼の手首をぎゅっと掴んでいた。

指先が冷たい。小さく震えているのが、自分でも分かる。

「諒」

情けないくらい、弱々しく。

「あと少しだけでいいの。花火、もうすぐ始まるよ……終わってからじゃ、だめ?2分だけでいいから」

私は顔を上げ、彼を見た。声に滲んだ必死さを。今にもこぼれそうな絶望を。ほんの少しでも、気づいてほしい。

けれど。彼には、何ひとつ届かなかった。

彼の心が向いている先は、もう私じゃない。

彼は落ち着かない様子でスマホに目をやり、それから私を見た。

「澪、わがまま言わないで。人命にかかわるんだ。いい子だから、ここで見てて。終わったら晃一たちが送ってくれるから。落ち着いたら、すぐ帰る。ね?」

次の瞬間。彼は、ぐいっと私の手を振り払った。

私の指先が、空を掻く。何ひとつ、引き止められないまま。

彼は迷いなく背を向けた。そして、そのまま早足で雑踏の中へ消えていく。

一度も、振り返らずに。

彼の背中が人混みに呑まれた。まさにその瞬間――

ヒューッ――ドンッ!

最初の大きな花火が、夜空へ打ち上がった。鮮やかだ。残酷なくらい、綺麗だ。

色とりどりの光が、一瞬で空いっぱいに咲き広がる。その光は、迷いなく去っていく彼の背中まで照らした。

けれど、どれほど眩しく照らしても、彼の足を止めることはできなかった。

耳をつんざくような歓声が、あちこちで弾ける。

私はただ、呆然と空を見上げていた。

花火はあんなにも綺麗に咲いているのに、私の視界は涙で滲んで、揺れて、歪んで、もう、何も見えなかった。

熱い涙は、とっくに溢れている。頬を伝って、止まらないまま落ちていく。

諒。この花火を、私は3年も待っていた。

花火に願い事をすると叶うのだと、私はずっと信じていた。

あなたと、白髪になるまで一緒にいたいと願っていた。

なのに……あなたは先に、私の手を離した。

隣にいた葵が、ようやく泣いている私に気づいて、慌てたようにその手を握り締めた。

「どうしたの、澪。具合でも悪いの?」

私はそっと涙を拭い、首を横に振った。

「大丈夫……明日、空いてる?病院に付き合ってほしいの」

そう言って、私はそっと、まだ少しだけ膨らみ始めたお腹に手を当てた。

赤ちゃん、ごめんね。

そんな目で私を見る人の子を、もう産みたいとは思えない。

Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi

Bab terbaru

  • 無垢を求めた夫と、離婚を決意しました   第13話

    その3日後、私は退院した。家はひどく静まり返っている。諒の荷物はきれいに片づけられ、離婚の手続きも、弁護士を通して滞りなく進んでいる。それから長い間、彼の消息はまったく途絶えた。後になって、葵から聞いた。あの日の研究室での騒動を、通りかかった学生がスマホで撮影していたらしい。動画には、ひなたの叫び声と、私が倒れる姿、床に広がる血が映っていた――それだけで、勝手な物語を作り上げるには十分すぎた。一部の学生たちは執拗に情報を集め、諒とひなたの関係を示す証拠まで掘り起こし、学内掲示板に投稿した。教授と学生の恋愛、不倫、妊娠中の妻の流産――どの言葉も、人目を引くには十分だった。動画と書き込みは瞬く間に学内外へ広がり、SNSでも非難が殺到した。大学は事態を重く見て、最終的に処分を下した。諒は解雇、ひなたは退学処分となった。不思議なことに、その知らせを聞いても、喜びも悲しみも湧いてこない。私はもう、過去を手放していたのだろう。体が完全に回復すると、私は清水グループの仕事に全力を注いだ。会議、資料、交渉、プロジェクトの進行管理――目まぐるしい毎日だった。ただ忙しいだけのはずなのに、自分の意思で前へ進んでいけるその日々は、これまでにない充実感と安心感を私にもたらした。それは、あふれ出しそうになる感情をせき止めてくれる、頑丈な堤防のようでもあった。週末に実家で食事をしたとき、父はとっておきの上等な酒を開けてくれた。私のグラスに半分ほど注ぎながら、父は静かに目を細めた。その眼差しには、安堵と、押し隠した痛みが滲んでいる。「澪」父の声は落ち着いていた。「今回の件、澪は私が思っていた以上によくやった」私は笑っただけで、何も言わなかった。父はグラスを掲げ、そっと私のグラスと合わせた。「壊れた関係から早く身を引くには、並々ならぬ勇気と判断力がいる。清水グループを澪に任せられると思うと、私は安心している」「父さん」私は首を振った。「まだまだ勉強中よ」「誰だって最初はそうだ」父は私を見つめ、確信に満ちた目で言った。「だが、断ち切るべき時に迷わず断ち切れる。その強さは、若い頃の私にそっくりだ。恋愛も戦いと同じだ。ためらいは最大の隙になる。澪は、多くの人にはできない決断を、きっぱり下した」

  • 無垢を求めた夫と、離婚を決意しました   第12話

    葵もその言葉の意味を察したのか、隣で冷たく笑った。「どの口で『ごめん』なんて言えるのよ。あんたたちの勝手な理屈で、澪がどれだけ苦しんできたと思ってるの?結局、あんたが勝手に受け入れられないだけでしょ。澪が悪いんじゃない。問題なのは、あんたのその考え方よ!本当に澪を愛してるなら、若い子で寂しさを埋めたりしないわよ。あんたが大事なのは結局、自分だけでしょ。そんなの、愛でも何でもないわ」諒は反論もできず、深くうつむいたまま、「ごめん……ごめん……」と壊れたように繰り返すばかりだった。葵は苛立ちを隠そうともせず、吐き捨てた。「もういい。いったい誰に見せるつもりなの、その芝居。出ていって!今すぐ!」諒は抜け殻のような足取りで、病室を出ていった。それからしばらくの間、諒はずっと病室の外で待っていた。病室で少しでも物音がすると、すぐに飛び込んできたが、そのたびに葵に追い返された。3日目、ひなたが病院にやって来た。入ってくるなり、私のベッド脇に膝をつき、泣き腫らした目で必死に訴えた。「清水さん、お願いします。牧野先生を私にください。彼は私の初めての人なんです。彼がいないと生きていけません。お願いします……」私が口を開くより先に、諒が彼女の腕を掴んで無理やり立たせた。そして次の瞬間、その頬を力いっぱい打った。「何度言えば分かるんだ!僕は君を愛したことなんて一度もない!金が欲しいならいくらでも払う。だからもう僕につきまとうな。人の話が分からないのか!」ひなたは唇を噛みしめ、涙をこぼしながら訴えた。「お金なんていりません!愛してないって言うなら、私に囁いたあの言葉は何だったんですか?あんなに優しくしてくれたのはどうしてですか?どうして私を騙したんですか!」その目には、深い悲しみが滲んでいる。諒は呆然と立ち尽くした。長い沈黙のあと、蚊の鳴くような声で呟く。「……すまない。忘れてくれ」ひなたはきゅっと唇を噛むと、振り上げた手で彼の頬をひっぱたいた。涙をぬぐいながら、そのまま病室を飛び出していった。葵が冷ややかに鼻を鳴らした。「ほんと、そろいもそろって最低ね。痴話喧嘩なら外でやってくれない?澪は病人なのよ。少しは休ませてあげたら?」諒ははっとしたように私を見た。「……すまない。出ていく」彼はドアの前まで歩き

  • 無垢を求めた夫と、離婚を決意しました   第11話

    腰を強かに打ちつけた瞬間、激痛が走り、目の前がぐらりと暗くなった。次の瞬間、生温かいものが脚を伝って流れ落ちていくのが分かった。みるみるうちに服の裾が濡れていく。視線を落とすと、床に赤が滲んでいる。その場の空気が、一瞬で凍りつく。ひなたもようやく黙り込み、青ざめた顔で立ち尽くしていた。「澪!?」諒が駆け寄ってくる。「どうした!?これは……なぜ血が!?」痛みに身体を折ったまま、私は声も出せなかった。冷たい汗が背中を伝っていく。諒は私を抱き上げるなり、取り乱したように研究室を飛び出した。「澪、しっかりしろ!すぐ病院へ連れていくからな!」次に目を開けたとき、鼻をついたのは消毒液の匂いだった。ぼんやりした視界の先に、葵の顔が見える。彼女はベッドのそばに座り、私の手を強く握っていた。「澪、気がついた?」掠れた声だった。葵はほんの一瞬だけためらったあと、それでも覚悟を決めたように口を開く。「澪……赤ちゃん、だめだった。その……無理しないでね……」その言葉に、一瞬頭が真っ白になった。けれど、すぐに麻痺したように何も感じなくなった。「大丈夫……もう、この子を産むつもりはなかったから」ちょうどその時、病室のドアが開いた。入ってきた諒は、ひどく顔色が悪かった。血の気の引いた顔のまま、虚ろな目で私を見つめている。やがて、ようやく乾いた声を絞り出した。「赤ちゃんは……いつ、できてたんだ?僕、どうして気づかなかった……?」葵が冷たく笑う。「気づくわけないでしょ」その声は容赦なく鋭かった。「毎日教え子のことばかりで、朝早くに出て夜遅くに帰ってきて。そんな生活で、澪の変化に気づけるわけないでしょ!?」諒は打ちのめされたように一歩後ずさった。次の瞬間、張りつめていたものが切れたように、ぼろぼろと涙をこぼした。彼はベッドに縋りつくように膝をつき、私の手を握った。額をベッドの縁に押しつけたまま、掠れた声で何度も何度も繰り返す。「ごめん……ごめん、澪……ごめん……」私はゆっくりと、その手を引き抜いた。「いいの」自分でも驚くほど、声は静かだった。「私が妊娠していたこと、天野は知らなかったはずよ。知っていたら、あんなふうにはならなかったと思う。だから……責めないであげて」「

  • 無垢を求めた夫と、離婚を決意しました   第10話

    私がドアノブに手をかけたとき、背後で彼の気配がぴたりと止まった。振り返らないまま、絞り出すような声が背中に落ちる。「……そこまでして、僕を天野に押しやりたいのか。だったら今夜、彼女のところへ行ってやる。後悔するなよ」言い終えるや、彼はドアを荒々しく開け、そのまま叩きつけるように閉めた。重い音が部屋に響き、耳の奥がじんと痺れる。私はリビングに戻ると、スマホを取り出した。あの録音を含め、整理しておいた証拠を弁護士に送る。【高梨先生、証拠をお送りしました。離婚協議書の作成を、できるだけ早くお願いいたします】それから2日、諒は一度も帰ってこなかった。私は、彼に荷物をまとめて出ていってほしかった。この家は結婚前に父から譲り受けた、私の家だ。離婚するなら、ここを出るのは彼のほうだと思う。何度メッセージを送っても、既読はつかない。仕方なく、私は直接大学へ向かった。彼の研究室の前に立つと、中から激しい言い争いの声が聞こえてくる。ひなたの甲高く尖った声。その合間に、諒の低く抑えた声が混じる。少し迷った末、私はドアをノックした。次の瞬間、ドアが乱暴に開かれる。立っていたのは諒だ。私に気づいた彼の顔に、ほんの一瞬だけ驚きがよぎった。けれど彼が口を開くより早く、その背後からひなたが飛び出してきた。怒りに顔を歪めたひなたは、いきなり私の頬を思いきりひっぱたいた。乾いた音が響いた。「あんた!よくもそんな顔でここへ来たね!?」彼女は叫んだ。泣き腫らした目を血走らせ、鬼気迫る形相だ。諒はすぐにひなたの腕をつかんだ。「天野、やめろ!」けれど彼女は、まるで聞いていなかった。もがきながら、泣き叫んでいる。「離してください!この女が何か吹き込んだんでしょう!?でなきゃ、どうして急に私を突き放すんですか!?どうして私を避けるんですか!?」ひりつく頬を押さえながら、私は二人を見た。様子を見れば、あの夜、諒がひなたのもとへ行き、別れを告げたのだと分かった。そのあとも避けられていたのだろう。あんなふうに取り乱すのも無理はない。「私は何も吹き込んでいない」私はひなたをまっすぐ見て、静かに言った。「もう彼には離婚を申し出ている。あなたたち二人のことは、私には関係ない」「離婚?」ひなたは目を見開い

  • 無垢を求めた夫と、離婚を決意しました   第9話

    「……もう終わりにすると言っているだろう!それでも、まだ何が不満なんだ!?」ついに諒が声を荒げた。張り詰めていたものが、鋭い音を立てて弾けたようだった。「澪、僕が君にしてきたことじゃ足りないのか?いったいこれ以上、どうしろっていうんだ。意地になるのはやめてくれ」彼はがたりと立ち上がった。椅子の脚が床を引っ掻き、耳障りな音を響かせる。「私は駄々をこねているわけじゃない」私はゆっくりと顔を上げ、彼を見た。不思議なくらい、声は静かだった。「私は冷静よ」「冷静だと?」ひどく可笑しなものでも見るように、彼は肩で荒く息をした。「僕は与えられるものは全部、君に与えてきた!一度だって粗末に扱ったことがあるか?僕の何が、そんなに不満なんだ!?」彼の言う通りだった。彼はずっと、私にできる限りのことをしてくれていた。付き合い始めた頃から、私のわがままを受け止め、不自由のない暮らしを与えてくれた。誕生日や記念日にはいつもサプライズや特別な時間を用意してくれたし、私が落ち込んでいるときには、あの手この手で笑わせようとしてくれた。そんな彼の優しさが、ひとつひとつ胸の奥によみがえった。ひなたさえいなければ、彼はほとんど完璧だったのかもしれない。私は小さく首を振った。胸の奥がじわじわと痛んで、今にも張り裂けてしまいそうだ。「あなたはよくやってる。ほんとうによく。でも、私には受け入れられ……」「僕は君の過去を受け入れた!」彼は私の言葉を遮り、ほとんど怒鳴るように言った。「あんな過去でも、僕は受け入れてきた!それなのに君は、僕のたった一度の過ちすら許せないのか!?誓ってもいい、相手は天野だけだ。一度きりだ!」彼が「あんな過去」と口にした瞬間、それが何を指しているのかは、言葉にするまでもなかった。ふいに、あの日、喫煙スペースで聞いた言葉が蘇った。彼には、私はどこか汚れて見えていたのだ。その途端、身体全体が軋むように痛み始めた。呼吸すら、うまくできない。私は彼を見つめたまま、かすれそうな声で言った。「じゃあ……ずっと気にしていたのね」彼は力が抜けたように、乱暴に顔をこすった。投げやりな口調の奥に、苛立ちと疲れが滲んでいる。「澪、ああいうことを気にしない男なんていない。それでも僕は君と結婚した。ずっと愛してきた。

  • 無垢を求めた夫と、離婚を決意しました   第8話

    私は箸を動かし、顔も上げないまま「うん」とだけ答えた。彼の喉仏が小さく上下する。探るように、彼は低く訊いた。「彼女は……君に何の用だったんだ?」私はゆっくりと口の中のものを飲み込み、箸を置いた。それから静かな目で、彼を見つめる。「あなたたちの思い出を聞かせてもらったの」自分でも驚くほど、声は静かだ。「一緒に餌をやった猫のこと。一緒に見た夜景のこと。一緒に食べたいちごのケーキのこと」少しだけ間を置く。みるみる血の気を失っていく彼の顔をひと目見て、私は続けた。「それから、彼女のファーストキスのことも……初めての夜のことも」諒は唇をきつく引き結んだまま、何も言わなかった。ただ、顎のあたりだけが、目に見えてこわばっていく。重たい沈黙が落ちた。息が詰まりそうなほどの静けさだ。やがて彼は、歯の奥から言葉を押し出すように、低い声で言った。「……もう彼女とは終わりにする。これでいいだろ」謝罪はない。説明もない。縋るような言葉ひとつ、口にしなかった。まるで厄介事を片づけるような口ぶりだった。そこに滲んでいたのは、裏切りを知られた羞恥よりも、傷つけられた自尊心の苛立ちのほうだった。その反応は、ある意味で予想どおりだ。諒は昔から、何よりも自分の矜持を大切にする人だった。私がまだ拉致される前、私は誰もが一目置く名家の娘で、諒はごく普通の家庭に育った大学教授だった。家族はその結婚に反対し、中には「分不相応だ」「身の程知らずだ」と露骨に彼を嘲る者もいた。諒はそんな周囲の反対を振り払うように、来る日も来る日も部屋にこもって昇任の準備に没頭していた。見返さずにはいられなかったのだと思う。けれど、彼がそれを証明するより先に、追い詰められたのは私のほうだった。評判を傷つけられたあのとき、諒は後先も考えず、押しかけた報道陣を相手に真っ向から渡り合い、私を守ってくれた。やがて家族も、その必死さと誠実さに心を動かされ、ようやく彼との結婚を認めた。諒はきっと、当初私の家族に認められなかったことを、今でも心のどこかで引きずっているのだ。だから今、こうして自分の裏切りを私に知られたとき、彼の胸に湧いたのは、罪悪感よりもむしろ、自尊心を傷つけられたことへの怒りだったのだろう。彼にしてみれば、かつて私のためにずいぶん苦しい思いをし

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status