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第572話

Auteur: ザクロ姫
一方竜也は、杏奈に近づきたい気持ちを必死に抑え、彼女と健吾が立ち去ってから、浩を連れて佑のもとへ向かおうとした。

しかし、歩き出してすぐに、佑から電話がかかってきた。

「すみません、中川社長。急用ができてしまって、今日の打ち合わせはキャンセルさせてください。契約書は後ほど部下の者に届けさせますので。どうかご容赦ください」

それを聞いて竜也も、はじめは振り回されたようで少し腹が立った。

しかし、佑が契約書を持ってこさせると聞いて、その怒りも少しずつ収まっていった。

「構いませんよ。柴田さんもお忙しいでしょうから」

そう言って電話を切ると、竜也は再び浩を連れてその場を離れた。

彼は会社に戻るつもりだったが、浩が午後に習い事の授業があるので、先に家に送らなければならなかった。

もし佑に息子は可愛いからどうしても連れて来て欲しいとしきりに言われなければ、竜也だってまだ幼い浩を連れ回したりはしなかった。

それから浩を家に送った後、竜也は仕事に向かった。

一方その頃、家庭教師はもう到着していた。

浩は、この終わりのない英才教育にうんざりしていた。

以前、杏奈が組んでいたスケ
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