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【第9話】受け入れ体制

last update Date de publication: 2025-12-09 14:40:24
 あの後すぐに二度目の転移魔法を使って自宅に戻った。裸のままで、しかも首も座っていない歳の子だったため、レオノーラは着ていたローブを脱いで、魔族の赤ん坊をそれに包んで抱いている。

「母乳の代わりに、どうやらヤギのお乳で代用出来るみたいですよ」

「そうなんだ?良かった」

 家に到着するなり早速代替え品を調べてくれたセリンに、安堵した様子でレオノーラが返した。

「赤ん坊の服なんて流石に無いからウチがちょっと作ってくるよ。あ、テオが昔着てた服ちょっといじるねー」

「多分衣装棚の一番下にしまったままだと思いますから好きに使って下さい。——じゃあ僕は、ベビーベッドの代わりになりそうな物を倉庫から探して来ますね。無かった場合は急いで作っておきます」

 今度はアイシャが赤ん坊の服の用意を始めた。まだ『魔族』を拾った事に対して困惑気味ではありつつも、それを隠してテオドールもきちんと対応する。どうやら、この件に私情は持ち込むべきじゃないと決めたみたいだ。

 即座に保護を決めて連れ帰ったはいいが、家には赤ん坊に必要そうな物など一つとして無い。既に子供が四人も居る家庭ではあれども、一番小さくても三歳から
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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第14話】癒しを大陸全てに(レオノーラ・談)

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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第13話】二人の結婚式・後編(レオノーラ・談)

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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第11話】応接室にて③

    「アイツ等が、いくら断っても全然引いてくれないのってさぁ、貴族には、血統主義の奴等が多いせいだよねぇ」 アイシャの発言を受け、アリスターも「そうなんだ。往々にして、生まれへの不満があがりそうな場合は、まず貴族の養子になってもらってから婚姻を結ぶ場合が多い。だが今回の場合は天文学的な収益を伴う利権を狙っての話だから、その手を使おうが『その血統だけでは、“王”の伴侶には相応しくない』と不満を言う事が目に見えているんだよね」と私見を述べた。「そう、なんですね」 スラム街出身である事を恥じた事はないが、足枷にしかならない事は理解出来る。だけど長年浮世離れした生活を送ってきたせいか、血筋云々を個々の気持ち以上に優先せよと、他人に言われるのは納得がいかない。 でも、それを言ってもいいのか悪いのか。子供らだけの状況であれば平気で口にしただろうが、王族であるアリスターを前にすると、レオノーラはわからなくなって口をつぐんだ。「でね、向こうが、『色狂い』だなんだと噂を立てて、普通なら有り得ない人数の『側妃』を迎え入れる流れを意地でも作ろうってんなら、こっちも攻勢に打って出ようかと思うんだが、どう思う?」 「まぁ、このまま断り続けるだけじゃ何も変わんないもんね。挙式への乱入は日程的に防げるだろうけど、世論や民衆を操作された事で発生する数の暴力的な流れってのも、そうそう無視出来ないし」 アリスターに訊かれ、アイシャがそう返した。「さっきの、薬師を筆頭とした一団は、どうせそれの一環だったんだろう?」 「流石、カラミタはとっくに気付いていたか。まぁ、結構あからさまだったもんね。だけど私は、『恩人に会えそうだけど、どうする?』程度しか伝えてないよ。あれだけの人数が集まったのも、全員本人達の希望さ。まぁ、一応、かなりの人数には諦めてもらったんだけどね」とアリスターが言う。 レオノーラの作った回復薬の効果は絶大だ。 その製法は無駄だらけな自己流ではあるものの、世界樹の恩恵を受けた素材のみで作っているのだから納得である。 彼女が作った薬の存在は、薬師達や支配階級の者達の間では相当有名ではある。だが希少が故に、王族や

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第10話】応接室にて②

    「——さて、今後の方針をもう一つ話し合っておこうか」と言い、アリスターが軽く手を叩く。すると別室に控えていた者が一名、書類の束を持って彼の元へやって来た。それを受け取ったアリスターを見て、アイシャが眉間に皺を寄せて「……あぁー」とこぼしている。「側妃の話かぁ」 レオノーラには聞き慣れない言葉だ。「……そくひ?」と彼女が首を軽く傾げると、カラミタが「ボクが要求したものじゃないよ⁉︎」と慌てて即座に否定した。『カラは、私以外とも結婚するの?』と、一瞬でも思われたくないからだ。「その通り。なので、早とちりをして、勘違いしないで下さいね」(されようもんなら、このリストの女性達とその家族全員殺されてしまうからね) 以前アイシャ達が話していた事と丸々同じ事を考えながら、アリスターが苦笑いを浮かべてそう言い、書類をテーブルの上に置いて咳払いをした。「知っての通り、新たに『魔王』となった『カラミタ』の要求により、『和平の証』として『樹界のヒューマ族』である『レオノーラ』さんと、式はまだだけど、書類上では既にもう婚姻関係を結んだだろう? すると、前々から『和平の証だと言うのなら、各国からも妃を娶るべきだ』という巫山戯た意見が多くあがっているんだ。そもそもカラミタが激しく拒絶しているという大前提は当然全世界の要人達に伝えてはいるんだが、ヒトによっては複数の伴侶を持つ魔族もいたもんだから、『制度的な問題は無い』と判断した一部の者達が勝手に暴走して、側妃の候補者一覧表を我が国に送り付けてくるんだよ。……困った事に一部の女性達はもう、この城にまで来ている。挙式の日も近いから『正妃』を一目見ようという感じかな。そして『コレが相手ならば自分でもいける』と踏めば、彼女らが何をするやら……」 そう告げ、アリスターがそっと額を押さえる。 脳裏に先程レオノーラに心無い言葉を吐いていた女性達の姿が浮かび、カラミタが「あの女共か」とこぼし、猫被りを忘れてチッと舌打ちをした。「当然、ウチらは『カラミタはそんなもん同意しないよ』って何度も突っぱねたんだけどね、利権狙いの奴らは引かず、このまま強引に押し進めていこうとしてるんだよねぇ。既成事実を作ろうと部屋に侵入したり、私物を掻っ攫って魔法による精神操作を狙ったりと、あの手この手ともうウザ過ぎーっ!」 カラミタの横に陣取ったアイシャが、きち

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