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last update Date de publication: 2025-11-06 20:32:03

 湊さんの動きがぴたりと止まった。

 その瞳に一瞬だけ深い悲しみの色が浮かんだのを、私は気づいた。気づいてしまった。

 けれど湊さんはすぐにいつもの優しい表情に戻ると、私を抱きしめる腕の力を緩めて言った。

「すみません。少し、焦りすぎましたね」

 暖炉の炎の明かりが、彼の長いまつ毛に陰影を落としていた。

「夏帆さんが、本当に僕を受け入れてもいいと思えるようになるまで、僕もがんばりますから。……ずっと、待っています」

 その優しい言葉が、逆に私の胸を締め付けた。

「ごめんなさい……。もう、寝ますね」

 私は立ち上がる。もうそれ以上ここに居られなくて、寝室へ戻った。

 ドア一枚を隔てた場所に彼がいるのに、私は触れることができない。

(どうして……)

 どうしてあの夜、あんなにも幸せな思い出を作ってしまったのだろう。

 どうして私は、恋を諦めると決め
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