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第13話

Auteur: 緋色の追憶
帰国は、思ったよりずっとスムーズだった。

慎吾が手配してくれたルートは、安全で効率が良かった。

本国の地を踏んだ瞬間、綾子は深呼吸をした。そこには硝煙や血の匂いはなく、ただ懐かしい、少し湿った空気があった。

綾子は誰にも連絡せず、すぐに郊外にある墓地へ向かった。

母の墓石は、木々の間に静かにたたずんでいて、母の笑顔を思い出すと、いつも優しかったように思えた。

綾子は墓前にしゃがむと、冷たい墓石を指でそっと撫でた。

「お母さん、ただいま」綾子は声を詰まらせながら、囁いた。「ごめんね、最後に会えなくて……お母さんが残してくれたものも、守れなかった」

墓石に額を押し当てると、ずっとこらえていた涙が、とうとうこぼれ落ちた。

それは竜之介のせいでも、受けた仕打ちのせいでもない。ただ、母に対する深い罪悪感と恋しさからだった。

それから、綾子は墓前で長い時間を過ごし、戦地でのこと、怪我のこと、失った心のこと、そして……新しい人生のことについて、たくさん話した。

「でも、約束する。ちゃんと生きていくから」

そう言って涙を拭うと、綾子の瞳は固い決意に満ちていた。「誰のためでもなく、
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