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第973話

Author: 栄子
大輝が何か言おうとした時、真奈美が先に口を開いた。「石川社長、もう付き纏わないで」

その短い言葉の中に、感情は一切込められていなかった。

大輝は、ハッとした。

彼は真奈美を見たが、真奈美は彼を見向きもしてくれなかった。

彼女は片手を大きくなったお腹に当て、少しうつむき加減で、ベージュのマフラーに顔を半分うずめていた。

顔は、長く伸びた髪で隠されていた。

大輝は、真奈美が自分を見たくないのだと思った。しかし、ダウンジャケットに身を包んだ彼女の体が、小さく震えていることには気づかなかった。

それは、心の奥底からの恐怖による拒絶反応だった。真奈美自身にも抑えきれないほど、体は小刻みに震えていた。

裕也は、その異変に気づいた。

彼は眉をひそめて大輝を見た。「話があるなら後にして。まずは聡さんを家まで送らせて。山田さんが家で待っているから」

霞も慌ててその場を丸く収めようと言った。「そうですよ、石川社長。山田さんに早く帰ってくるように言われてますので」

その状況に大輝は唇を噛みしめ、何も言わずに脇へと道を開けた。

そして、一同はエレベーターに乗り込んだ。

エレベーターの
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