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第822話

Penulis: 風羽
澪安は思慕の保護者に会うつもりでいた。

そのときだった。

扉の向こうから、柔らかく澄んだ声が響いた。

「思慕、またお友達を困らせたの?」

――その声を聞いた瞬間。

澪安の時間が、止まった。

あの声。

忘れたはずなのに、忘れられるはずがない声。

――九条慕美?

澪安はゆっくりと立ち上がった。

その瞬間――結代の存在すら意識の外へ消えた。

胸の奥まで焼きつくような視線で、彼は入口の方を見つめる。

まるで、扉の向こうに穴を空けようとしているかのように。

やがて、ヒールの澄んだ音が近づいてきた。

そして――現れた。

ずっと忘れたはずの人。

もう戻らないと、そう諦めた人。

――九条慕美。

彼女は昔とは少し違っていた。

かつては華奢で、触れれば折れてしまいそうな細さだったのに、今はどこか柔らかく、落ち着いた丸みを帯びている。それでも全体はすらりとしていて、線の美しさは変わらない。

長かった黒髪は、今は茶色がかった色に染められ、ゆるやかなウェーブがかかっていた。

ふとした仕草や横顔に、少女にはなかった艶と余裕が宿っている。

モノトーンの上品なワンピース。

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良香
嫉妬メラメラの澪安君。やだねぇ。とりまイトコ同士なんだから仲直りしようよ。 今からゆっくりまた知り合えば良い。 慕美さんが、慕美さんの歩幅で、澪安と歩いていこう、と思えるように、まあがんばれ
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